看護婦
看護婦といっても病院のナースばかりでなく、添乗ナースから検診ナースまでいろいろあります。以下は、そんな日本の出張ナースたちの本当にあったエピソードです。
- 添乗ナース[その1]
日本からシンガポールに到着した時のことです。空港で荷物を待っていると1人の男子生徒が、
「搭乗券が失くなったんです?」
たぶん、記念に取っておきたかったのかなと思い、私は自分の搭乗券を差し出して、
「これ、あげようか?」
「えっ、いいんですか?」
「いいわよ」
「だって、それがないと降りられないのでは?」
そういえば、日本の鉄道の場合、降りる時、切符が要りますよね!
- 添乗ナース[その2]
早朝の韓国のホテルで、起床時間前に病気の生徒たちの検温を済ませてしまおうと廊下を歩いている時のことです。生徒の部屋のドアが開き、顔を出して外の様子を窺(うかが)っている3人の女の子たちがいます。
「どうしたの?」と声をかけると、
「朝食は何時ですか?」
「7時からだから、まだ早いわよ」
「日本時間でですか?」
「・・・・・」いっしゅん黙り込んだ私に、
「時差って45分ですよね?」
どうやら、部屋の時計が45分進んでいたのを見て、彼女たちは日本と韓国の時差が45分だと思い込んだのでしょう!
- 添乗ナース[その3]
とあるホテルの朝食会場、ホテル自慢のバイキングは洋食から和食までなかなかの品揃えです。中学生の子供たちは大喜びで何度もお代わりをした後、
「ごちそうさまでした!」と、食べ終わった者から自室へ帰ってゆきます。ところが、いつまでたっても席を立たず、かといって料理を食べるわけでもなく俯(うつむ)いた男の子が一人・・・・・・看護婦としては放っておくわけにもいきません。じっと見つめていると、たまたま顔を上げて目が合った彼は意を決したように私のところへやってくるや、泣きそうな顔で聞くんです、
「残すと罰金ですよね?」って。
- 検診ナース[その1]
年一回法律で義務付けられている雇用者の健康診断、当然ながら受診者票へ問診欄が設けられています。女性の中には妊娠中でレントゲン検査を受けられなかったり、生理中で尿検査を受けられない人がいます。したがって、問診欄へ、
「あなたは今生理中ですか?」や、
「現在妊娠していたり、妊娠の疑いがありますか?」という項目もあるわけです。
しかし、「女性の方のみお答え下さい」って書いてあるこれらの項目の「YES」をチェックする男性は意外と多いんですね。奥さんのことを答えているのか、それとも・・・・・・
- 検診ナース[その2]
健康診断を受けにきた中年の男性、その赤ら顔は見るからにアルコール依存症です。
「よくお酒を飲まれるんですか?」
「いいえ、そんなことはありませんよ。飲んでも、ほとんど戻しますから」
- 検診ナース[その3]
やはり健康診断を受けに来た一人の女性が、
「看護婦さん、身体中が痛むんです」
「もう少し具体的に説明していただけますか?」
「はい」と、右手の人差指で自分の身体のあちこちを触っては、
「あいた!」と連発する彼女をじっと見守っていた私ですが、とうとう我慢できずに、
「右手の人差指を骨折してますね」
- 外来ナース
今日は外来注腸ファイバー検査、40代のなかなか恰好いい男性患者の登場です。下剤をしっかり飲ませ、検査のために着替えをしてもらうのですが、なんてったって注腸ですから検査用パンツは後ろがパカッとあいて処置がしやすいようになっています。その恰好いい男性患者へ検査用パンツを手渡し、更衣室に案内して着替えてもらいました。
待つこと5分、
「これでいいですか?」更衣室からで出てきた患者を見て絶句・・・・・・ちゃんと説明したのに、パンツが後前逆(さか)さまなんですもの!
筆者から一言
「看護婦」は、知り合いの職業ナースから聞いた実話を小咄(ジョーク)としてアレンジしたものであり、転写は読者のご自由です。