コスナーのバケーション
ロン・シェルトン監督("ハード・プレイ")のゴルフを題材にした映画“ティンカップ”を撮り終えたばかりのケビン・コスナーは、年内、他の作品を撮影せず、来年の撮影予定企画も立てていないとか。CTV局最大手のHBOが巨額を投じて製作予定のピュリッツァー賞受賞脚本“ケンタッキー・サイクル”で、監督および主演の噂もありましたが、どうやら流れてしまったようです。最近“ヘッド・アバーブ・ウォーター”を監督したコスナーのパートナー、ジム・ウィルソンによると、次の企画やこれからのプランを煉るため、2人は近いうちに会うそうですが、企画が数多くあっても、今年一杯は子供達と過ごして休息する予定とのこと。“ウォーターワールド”の撮影中、16年間にわたる結婚生活に終止符を打った彼は、この充電期間の後、きっと素晴らしい映画を見せてくれると期待しています。

頭打ち
ロバート・レッドフォードとミッシェル・ファイファー主演のドラマ“アンカーウーマン”は、上映開始当初は好調だったのがここにきて伸び悩み、5,000万ドルにも到達しないまま頭打ちとなりそうな状況です。マイケル・ダグラスとアネット・ベニング主演の“アメリカン・プレジデント”同様、40歳以上の観客を狙った企画が今一つパッとしません。“アメリカン・・・”はアメリカ国内で6,000万ドルの収益を上げたものの、4ヶ月かかってのこと。製作費の6,200万ドルを計算に入れると、事業としては失敗作の部類です。また、去年暮れのハリソン・フォード主演によるセンチメンタルな大人向けリメイク作品“サブリナ”も、製作費5,800万ドルを興業回収することすら出来ませんでした。そういう状況下で公開準備中のシャーリー・マクレーン主演による“愛と追憶の日々”の続編“イブニング・スター”は、ある意味で大人向け映画市場の期待を双肩に負った作品と言えるかもしれませんね。出来映えは素晴らしいという下馬評ですが、前述の映画同様、若い映画ファンを動員できないと、ヒットはおろか大手スタジオもこのジャンル作品の製作から遠退いて行ってしまうような気がします。
アクション・スターの新人?
20世紀フォックス作品“戦火の勇気”で、中東戦争への貢献により勲章を授かる女性海兵隊員を演じるメグ・ライアンに、新しいアクション・ヒロインの呼び声が高まっています。プロデューサー、ジョー・シンガーによれば、過酷なアクション・シーンに備え、ライアンは撮影開始以前からシェイプアップに励んだらしく、勲章授与の是非を検証する捜査官役で共演するデンゼル・ワシントンと、実際の軍事訓練キャンプに参加して鍛えたそうです。そして、銃を持ったメグや部下に命令を下す彼女の姿は、今までのソフトなイメージとまったく違うパワフルなものだということなので請うご期待! ワシントンもライアンも、ほとんどのスタントを自分でこなし、転んだり物にぶつかったり、まるで本物の兵隊のような迫真の演技を披露。日中でも最低気温が氷点下になる時があるロケ地テキサスで、道なき荒れ地を強行軍の撮影中も、ライアンは出番を待ちながらスタッフとふざけ合ったり、持ち前の明るさを発揮して撮影を盛り上げていたとか!
(1996年5月1日)
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