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(1996年7月16日)          



ダブル・インパクト

天才は同じようなパターンの発想をすると言われていますが、ハリウッドは天才が多いのか、同じ題材を扱った企画が話題を集めています。過去にはケビン・コスナーの“ワイアット・アープ”とカート・ラッセルの“トゥームストーン”やコロンバス映画の鉢合わせなどの例がありましたが、現在進行中の双子企画は・・・・・・?


火山大爆発!:片やユニバーサル製作、ピアース・ブロズナン主演で予算が7,000万ドルの超大作、"ダンテズ・ピーク"(6月中旬撮影開始)、もう片方は20世紀フォックス製作でビル・プルマン("あなたが寝ている間に・・・")主演の“ボルケーノ"(企画段階)。両方とも名前のとおり火山の大爆発が軸のストーリーで、前者はアメリカ北西部を舞台としたブロズナン扮する火山学者の物語なのに対し、後者はロサンゼルスのど真ん中で火山が爆発するという、"大地震”や“タワーリング・インフェルノ”風の災害アクション映画です。

オリンピック選考会?“チャイナタウン”で有名なロバート・タウン脚本監督による、1972年のミュンヘン・オリンピックで惜しくもメダルを逸し、次のモントリオール大会予選直前に自動車事故死したオレゴン出身の伝説のランナー、スティーブ・プリフォンテインの物語“プリ”がビリー・クラダップ("スリーパーズ")主演、トム・クルーズのプロデュースで6月下旬から撮影進行中の現在、デズニーでも同じ人物を主題にした同名企画“プリ”が、絶賛を受けたバスケットボール・ドキュメンタリー映画“フープ・ドリームズ”の製作者達の手で進んでいます。

仏教ヒット:トライスターがブラッド・ピット主演で、第二次大戦中のオーストリア山岳家と幼い頃のダライ・ラマとの友情を描いた“セブン・イヤーズ・イン・チベット”を企画中の一方、ディズニーではマーチン・スコセッシ監督がラマの伝記的映画“クンダン”を着々と進行中です。

いずれの製作者も、われわれの企画は他社と違うと言い張っているのが目に浮かぶようですね。





ジャック・アタック

ティム・バートン監督("バットマン")による'50年代SF映画のパロディーであるスペース・コメディー“マーズ・アタック”は、地球軍司令官役のロッド・スタイガー、火星人との通訳を務める科学者役のピアース・ブロズナン、そして主演のジャック・ニコルソンと、そうそうたるキャスティングで撮影が進んでいます。ボケた大統領と、ラスベガスのやり手不動産屋の1人2役をこなすジャックは、まったく違う役柄を彼独特のチャームで演じ、役作りの延長のアドリブを連発して出演者を捧腹絶倒させているそうです。その他、最後に一人だけ生き残る大統領の娘役が“ヒート”で注目されたナタリー・ポートマン、大統領夫人はグレン・クロースで不動産屋のニューウェイブ・ワイフにアネット・ベニングと、大物がズラリ揃った大型映画です。こうご期待!





脚本募集中!

“デッドマン・ウォーキング”での見事な演技で本年度アカデミー賞主演女優賞を射止めたスーザン・サランドンは、愛人のティム・ロビンスと出会った1988年製作の名作“さよならゲーム”のような奇想天外で冴えたラブストーリーを探しています。前出の映画は、万年マイナーリーグの中年野球選手や、華やかなメジャーとかけ離れた彼らのライフスタイルをテーマに、スポーツ映画の天才、ロン・シェルトン脚本監督("ハード・プレイ"、"ティンカップ")でケビン・コスナー主演作。以来ラブストーリーと縁のない彼女は、脚本の甘さを理由に“アメリカン・プレジデント”出演を断り(代役にはアネット・ベニングが起用されました)、ワーナーブラザーズで企画進行中だった「死ぬ権利」を守る弁護士役の“デッド・スリープ”も降板し、ハッとするようなラブストーリーの出現を心待ちにしているそうです。今、素晴らしい恋をしている人、脚本を書いてみてはいかがですか?





レッドフォードの秘密

プライバシーを人一倍大事にするロバート・レッドフォードの次回作“モンタナの風に抱かれて”は、長い間ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストに載っていたカントリー風長編小説の映画化で、今月からモンタナ州とニューイングランド地方で撮影が始まります。この撮影開始にあたり、彼の乗馬シーンでのスタント・ダブルをキャスティングするため、業界誌へ彼の体のサイズが掲載されて大騒ぎというエピソードがありました。ちなみに彼のサイズは、ウエスト80cm、股下82.5cm、胸囲105cm、首囲り38cm、袖下85cm、靴が27cmということです。





反逆児キルマー

獣人が存在する孤島を舞台にしたH・G・ウェルズの小説“ドクター・モローの島”のリメイクについては4月1日の「最新情報」でも紹介し、その頃から何かと噂が多いこの映画。このところ撮影の進行具合は内容と同じぐらい奇妙な展開となり、ますます話題を集めています。まず、主演のバル・キルマーがプリマドンナ的な態度と頑固なまでの演技に対する執着心で、すっかりスタッフの嫌われ者となってしまい、共演の名優マーロン・ブランドですらトレーラーを彼の隣りから移動する始末。可愛そうに食事時間も独りぽっちで過ごすありさまで、何となく“バットマン・アンド・ロビン”を降ろされたのがわかるような気がします。ニューヨークにある演劇学校の名門ジュリアードを卒業した彼はエリート意識が強く、“ドアーズ”でのジム・モリソン役をオリバー・ストーン監督から絶賛されたり、“トゥームストーン”で結核末期のドック・ホリデイの好演など、素晴らしい演技力はある反面、どうも人づき合いが悪いのか、過去の共演者や監督から二度と一緒に仕事をしたくないと嫌われる存在になってしまいました。一方、彼に「君はギャラの高さが演技力の高さだと誤解している!」と言い放ったブランドは、自分なりの解釈で役作りをした結果、まるでキャサリン・ヘップバーンが着そうなスカーフと帽子をまとい、派手な紫色の口紅にマントをひるがえしての演技を披露しているそうです。ちなみに、補聴器を通して長い台詞のカンニングをしていた彼は、ある時、同じ波長の警察ラジオと混線しているのを気づかず、事件情報をそのまま喋ったとか・・・・・・話題の尽きない映画ですが、公開時期はタイミング的に絶好の10月から最悪の8月末へと変更されてしまいました。




(1996年7月16日)

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