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(1997年3月1日)          




車椅子のロッキー?

最後のアクション作品と宣言した“デイライト”が見事に転けてしまい、これからの動向を注目されるシルベスター・スタローンながら、大物プロデューサー、デビッド・ブラウン("フュー・グッドメン"、"ジョーズ")が現在企画中のドラマ“ミッドナイト・クラブ”では主演候補者リストのトップに上げられるなど、キャリア・チェンジがもう始まっているようです。1990年、スライ(シルベスターの略称)主演で製作を予定されていたこの企画は、車椅子に頼る足の不自由なヒーローがニューヨークにはびこるドラッグ・ディーラーのボスへ挑むというもので、原作はベストセラー作家ジェームズ・パターソンのスリラー小説。ストーリー中、ヒーローがそのボスを抱え上げてイースト川に投げ込むというアクション・シーンはあるものの、どちらかといえば迫真の演技力が要求されるドラマです。7年前はアクション不足で没にした作品が、今そのアクションから足を洗おうとしているスライの救世主となるかもしれないあたり、なんとも皮肉な巡り合わせといえるかもしれません。同じくパターソンのベストセラー小説“キス・ザ・ガールズ”をモーガン・フリーマン("セブン")、アシュリー・ジャッド("評決のとき")主演で撮り終えたばかりのブラウンは、もしスライが“ミッドナイト・・・”をパスした場合、今月中旬公開の自作“セイント”で主演したバル・キルマー("バットマン・フォーエバー")を再び起用する意向だとか。





羽ばたけ新生フェニックス

元ソニー傘下のトライスター・ピクチャーズ社長マイク・メダボイ氏が創設したフェニックス・ピクチャーズは、誕生後わずか1年で早くも業界の注目を集めています。今年のアカデミー最優秀映画、主演男優(ウッディー・ハレルソン)、監督(ミロシュ・フォアマン)各賞にノミネートされた“ラリー・フリント”が好調なほか、話題のクラシック物語を映画化した“エイミー・フォスター”や、ショーン・ペン("デッドマン・ウォーキング")、ニック・ノルティー("ナイトウォッチ")、“スリング・ブレイド”でオスカーへノミネートされたビリー・ボブ・ソーントン主演のオリバー・ストーン("ナチュラル・ボーン・キラー")監督作品“Uターン”(原題の“ストレイ・ドッグ”は黒沢明監督から1949年度の自作“野良犬”の英題に類似するとのクレイムがつき変更)を製作進行中と、まさしく破竹の勢いです。現在、企画中の“シン・レッド・ライン”も、戦争映画の名作“地上(ここ)より永遠に”の原作者ジェームズ・ジョーンズによる、鮮烈を極めた太平洋戦争ガダルカナル島の攻防を描いた続編ということで、ハリウッドの一線級スターがこぞって出演を希望しているばかりか、数人の大物スターたるや監督へ自分向けの役を創作してくれと頼み込む始末。6月にガダルカナル島とオーストラリアで撮影を開始するこの作品以外、レッドホット(絶好調)なフェニックスは今後、音楽のスーパー・プロデューサー、クインシー・ジョーンズと共同製作する、文豪ディッケンズ作“オリバーツイスト”の近代版ミュージカルを始め、ベストセラー・ホラー作家スティーブン・キング原作の“アプト・ピューピル(利発な生徒たち)"、リチャード・ドライファス("陽のあたる教室")演じる男が墓場に住み着いてお化けたちと交流する“ア・ファイン・アンド・プライベート・プレイス”といった目白押しの企画を製作予定しています。さて、この新生フェニックス・ピクチャーズ、競争の激しいハリウッドで大手スタジオ相手に、その名の通り「不死鳥」のごとく羽ばたくのでしょうか?





大統領は映画ファン!

映画ファンの1人であるクリントン大統領は、ハワイトハウスや休養地のキャンプ・デビッドにある映写室で、よく家族揃って映画を楽しむことが知られています。今年のアカデミー賞候補作品の中では“シャイン”と”スリング・ブレード”が大統領のお気に入りらしく、特に後者は同じアーカンソー州出身のビリー・ボッブ・ソーントンが脚本と主演の両カテゴリーでノミネートされているせいもあるのか、「ここ数年で最高の映画!」と言うほど感動したそうです。脚本主演ならびに同作品を監督するソーントンは、昔まだクリントンが州知事時代のアーカンソーで、一時期ハイウェイの掃除係をしていました。仕事の内容はブレイド(刃物)をスリングし(ぶら下げ)、道路際の植え込みを刈る作業・・・・・・今回、映画のテーマがスリングしたブレイドなのは、きっと何かの縁かも?





南洋のスター・パラダイス

主演するTVのコメディー番組をヒットさせ、美しさばかりが売り物ではないことを証明したブルック・シールズといえば、婚約相手がテニス界のプリンス、アンドレ・アガシでも知られています。秒読みに入ったといわれる結婚式の後、どうやらハネムーンはブルックが鮮烈なデビューを飾った1979年度作“青い珊瑚礁”のロケ地、タートル・アイランドへ行くことが決まったようです。南太平洋のフィジー諸島にあるこの島は、ここ十数年来、すっかりプライベート・リゾートとして生まれ変わりました。“青い珊瑚礁”の撮影当時、コテッジ(小屋)が3つしかなく、スター以外はテント住まいを余儀なくされた未開の孤島が、今や14のバンガー(一戸建)を擁する楽園へと生まれ変わっています。その息を呑むような風景や透きとおるような海の青さは昔と変わらず、5ケ月のロケ期間中テント住まいを続けたクルーが、中休みに何処へも行きたがらないというエピソードを残しました。現在、ピーク時で14カップルしか泊めないのは、それがゲストへ最善を尽くしたサービスを提供できるスタッフ側の限度だからだそうです。今までこの楽園で充電したスターは、バネッサ・ウィリアムス("イレーサー")夫妻、アンディー・マクドーウェル("フォー・ウェデング")夫妻、元ビートルズのリンゴ・スター、人気バンド、ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズとガールフレンドなどで、独身のロバート・レッドフォードが誰も同行せずに泊まろうとしたら、「他のカップル、中でもご婦人がたの気がパートナーから遠のいてしまう」と断られました。島のオーナーは、ここへ来たどのカップルも、この地上のパラダイスを普通の人として楽しんでくれることが、唯一の望みだそうです。





帰ってくるロビンソン一家


30代〜40代の人には懐かしい往年のTV番組“宇宙家族ロビンソン”が、“マイケル”や“ラストマン・スタンディング”など斬新な企画で定評のあるニューライン・シネマによって映画化の進行中です。“スター・ウォーズ”や“スター・トレック”のような映画をシリーズ化するだけでなく、商品をフランチャイズしやすいSF企画は目下ハリウッドの目玉ラインだけに、気合いの入り方も違うのでしょうね。原題を“ロスト・イン・スペース(宇宙の迷子)”というCBSテレビが制作した番組は、毎週土曜日の夜、世界中の子供たちをブラウン管の前へ釘づけにしたものです。当時、このサスペンス溢れる宇宙ドラマを見て育ったスターたちが映画へ挙って出演したがっていることにも、その根強い人気は窺(うかが)えます。老獪で険悪ながら、なんとなく憎めない「スミス博士」役は、ティム・ロビンス("ショーシャンクの空に")、ケネス・ブラナ("ハムレット")を押さえ、すでにゲーリー・オルドマン("告発")のキャスティングが決まりました。また、父親の「ロビンソン教授」を演じるのはウィリアム・ハート("マイケル")、「奥様」役がミミ・ロジャース("
キラー")、スミス博士の扇動で何かしらトラブルを巻き起こす少年「ウィル」役に抜擢されたのは“巡り会い”で好演技が光ったジャック・ジョンソン、そして彼らと宇宙の神秘を探りながら地球へ生還を試みるロボット(日本名「フライデー」)の再現は、いうまでもなくハイテクが駆使されます。7,000万ドルという贅沢な予算で3月中旬から撮影開始のこの映画、イメージは“スター・ウォーズ”的な冒険アクション・ドラマで、TVシリーズが終わってちょうど30周年を迎える1988年の公開予定です。もうすぐ蘇(よみがえ)る、あのフライデーの名台詞“Danger, Will Robinson! (ウィル、危険です!)”・・・・・・こうご期待!!




(1997年3月1日)

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