ディズニー・オンラインはここをクリックして下さい
(2001年8月)          



電脳時代のニュー・ムービー

ここをクリックすると予告編がご覧いただけます
ここをクリックすると予告編がご覧いただけます
世は電脳時代(サイバー・エージ)、その最先端をひた走るのが映画業界といえるでしょう。現在、公開中の「ファイナル・ファンタジー」に至っては、とうとうアニメでなく実写のイメージさえもコンピュータが作りだしています。先月の「お先に失礼!」でご紹介した「トゥーム・レイダー」同様、もともとコンピュータ・ゲームのヒット商品である「ファイナル・・・」は、いろいろな意味で画期的な映画なのです。つい最近まで、どれだけコンピュータ技術が進歩しようと、しょせん人気スターの存在感には敵わないといわれてきました。しかし、そうしたスターの存在感をコンピュータで代用する発想がなければ、もっと可能性は広いことを「ファイナル・・・」が実証しています。たとえば、右上の写真はマキシム誌の「ホット100」で取り上げられた主人公のアキ・ロスですが、CG(コンピュータ・グラフィック)製の架空人物としてはこれが同誌で初登場であるばかりか、ビキニの写真は彼らが創作したものです。あたかも実在の俳優を映画からのシーンではなく、出版社のカメラマンが撮った写真で紹介するかのごとく! もっとも、じっさい「ファイナル・・・」を見てみると、いくら実写の世界に近くてもまだまだアニメの世界であり、もちろんロスの声優を務めるミンナ・ウェンはじめ、ジェームズ・ウッズ、ドナルド・サザーランド、アレック・ボルドウィンといった実在の俳優たちが、その声で大いに貢献しています。しかし、初めて実写の世界をCGで作りだした映画という意義は少なくありません。また、このジャンルは日本人の活躍がそうとう期待できる分野でもあります。ともあれ、「シュレック」のようなアニメとはいえ、かなり実写に近いCG製の映像を組み合わせた映画が登場したり、ますます電脳時代は活気づいてきました(「シュレック」の場合、フィオナ女王が最初はリアルすぎたため、背景に合わせてアニメっぽく作り直したとか!)。さあ、今後どう進化してゆくことでしょう?





スター御用達ホット・アイテム

男性版

カンヌ映画祭や地中海沿いのリゾートで見かける男性用ブリーフ・スタイルの水着はヨーロッパ独特の雰囲気ですが、今年はヨーロッパ発のトランクス・スタイル水着が話題を振りまいています。そのフランス、サントロペにあるビレブレキン社製のボクサー・タイプ(写真)は乾きやすい素材と超カラフルなデザインが好評で、150パターンの色調を取り揃え、ニューヨークのバーニーズなどでも販売中です。ブラッド・ピット、ジャック・ニコルソン、マイケル・ダグラスといったハリウッド・スターばかりか、マドンナの良人ガイ・リッチー監督(「スナッチ」)などは自分と愛息ロッコへ、お揃いの象のデザインのトランクスを買いました。またトレンディーな女性陣も負けてはおらず、スーパーモデルのエル、クローディア・シファー、歌手のシンディー・ローパーなどが、人気沸騰のトランクスをビキニのトップと組み合わせて着こなしています。サイト上のオンライン・ショップから42ドル程度で購入できますから、一足先に今年のハリウッドのパワー水着を先取りされては?

女性版

星条旗はためく独立記念日(7月4日)あたりから注目されはじめ、今やマドンナがツアーで着用したのを筆頭にウィノナ・ライダー(「オータム・イン・ニューヨーク」)、ハリー・バリー(「スウォード・フィッシュ」)、コートニー・ラブ(「ラリー・フリント」)などもパーティーで着用し、話題騒然な星条旗のカジュアル・ウェアの数々、デザインはマンハッタン在住の女性デザイナー、キャサリン・マランドリーノです。秋から冬へのコレクションとして売り出されているのが、カシミア製セーター、シフォン・ドレス、バッグ、ベルトなどで、もっとも売れ線は手編みのタンクトップとTシャツ(写真)でしょう。この98ドルのTシャツをはじめ、すべてのラインが100ドル以下という庶民的な価格であり、ハリウッドにある彼女のブティックばかりか、ニューヨークのヘンリー・ベンデル、ロンドンのハービー・ニコルズ、パリのレ・ボン・マルシェといった高級ブティックも「星条旗シャツ」を求める顧客で連日繁盛しています。フランス生まれのマランドリーノは、星条旗の持つ「自由」、「独創性」といったユニークなイメージにひかれてデザインしたらしく、クリスチャン・ディオールのチーフ・デザイナー、ジョン・ガリアノさえも買いに来たという「プレミアもの」です。ニューヨークの高級デパート、サックス5番街のオンライン・ショップから購入できます。





ハンクスの選んだ脚本家

常にハリウッド最高の企画と係わっている俳優トム・ハンクス(写真)、「アメリカン・ビューティー」がアカデミー賞を受賞した翌日には脚本を担当したアラン・ボールへ電話をかけ、さっそく自分があたためてきた企画「ミスター・ダウンタウン」の脚本を依頼しています。これは1960年代のクリーブランドを舞台に、恋人を殺害された警察官の執念と愛情を描く人間ドラマですが、ハンクス自身の主演は未定なものの、彼の製作会社がプロデュースすることは確定済みです。また。ボールが監督デビューするという噂もあります。「アメリカン・・・」の成功後、自ら脚本製作を手掛けたケーブル大手HBO製作の葬儀屋ドラマ「シックス・フィート・アンダー」     タイトルの由来は死後地下6フィート(約2メートル)に埋められること     が話題騒然で多忙のボールは、その合間を縫って「ミスター・・・」の脚本を執筆中。もちろん、主人公としてハンクスをイメージして書いているそうです。3月に回避されたWGA(脚本家組合)のスト交渉中、脚本家の地位向上へ積極的だったボールだけに、「脚本家出身の監督のほうが、俳優の演技を引き出してストーリーを語るのが上手い。脚本経験のない監督の映画は、スタイルとカメラ・ワークばかりが目立ちすぎる」と手厳しく、登場人物をより鮮明に描写しようという気使いが、セットでの繊細な演出、巧みなストーリー・テリングへつながるのでしょう。






どこにすわって見る?

みなさんは映画館へ行った時、どの席にすわりますか? 自分が選ぶ座席の位置で、その人の性格はわかるという分析結果が、このたび発表されました。イギリスの映画館チェーン「オデオン」から注文を請け、女性精神分析医のダナ・ドーソン博士は、座席の好みから観客を4つのパターンへ分類し、映画の登場人物を例にあげて性格判断したのですが、あなたの場合は?


前列派

首が痛くなるほど見上げなければならない最前列を含め、スクリーン寄りの席を好む観客は過激で自己主張の強い性格らしく、対抗意識の強い人が多いそうです。また、このタイプは1人より大勢で見るのが好きなタイプだとか・・・・・・マイク・マイヤーズが演じたレトロ・スパイ、オースティン・パワーズや、ジュリア・ロバーツがオスカー受賞した熱血女性エリン・ブロッコビッチ(写真右)のタイプです。

中央派

館内の中央席を好む観客は、意外と柔軟性に富んだ波風を立てない平和主義者が多く、また中道思想で世間にとけ込もうとするタイプも多いとか・・・・・・グウィネス・パルトローが演じた「エマ」の主人公タイプです。

両端派

館内の左右両端の席を好む観客は、おとなしくて自分に自信のない人が多く、また端から映画だけでなくピープル(他の観客)ウォッチングを楽しむ鑑賞派も多いとか・・・・・・「ポルプ・フィクション」でウマ・サーマンが演じた女性ミア・ウォラスや、「恋愛小説家」でジャック・ニコルソンが演じた寂しい男メルビン・ウドール(写真左)のタイプです。

後列派

館内の後列、つまりあまり人目につかない席を好む観客は、反抗的で冒険好きな人が多い反面、自分からスポットライトを探すタイプでもなく、2人の「怪しげな空間」を演出したがる恋人同志が好む席でもあるとか・・・・・・シゴーニー・ウィーバーが演じた「エイリアン」のリプリー・タイプです。

以上は典型的なアメリカ市場の分析結果ですが、当然ながら中には空いていればどこでもすわる人や、特定の好みがない人もいます。とはいえ、この性格分析、一般論として的を得ている気がしますね!





ブランド・ネーム

「波止場」で見せてくれた往年のハンサムな容姿(ルックス)は何処へやら、今や醜いまでの肥満体となった名優マーロン・ブランド(写真左)、ハリウッド一の偏屈老人として有名なだけでなくセットでの怪奇な行動が話題となっています。以前、「反逆児キルマー」でお伝えしたとおり、過去にも「モロー博士の島」のロケ先で共演俳優バル・キルマーとトラブったりしていますが、現在公開中の「スコアー」を撮影中は、相変わらずの「やりたい放題」で数々の珍エピソードを残しました。まず、ジム・ヘンソン主宰の操り人形TV番組「マペット・ショー」で操り師として人気を得たばかりか、スターの雌豚人形ミス・ピギーの声優を務めた前歴の持ち主フランク・オズ監督(「イン・アンド・アウト」)を最初からバカにしきって、とうとう彼が演出するならトレーラーから出てこないと言い張る始末です。結局、共演のロバート・デ・ニーロ(写真右)がブランドの登場場面を演出し、オズ監督はモニターで観察する摩訶不思議な情景となりました。監督を「ミス・ピギー」と呼び捨て、自分勝手に台詞を変更したり、醜く肥満した下半身を撮るのが嫌で上半身だけの撮影を強要したあげく、下半身裸でセットを闊歩すると、もう狂気の振る舞い。今年で77歳を迎えるブランドの奇行を、なぜハリウッドが野放しにしているのか疑問は浮かびますが、そこは文字通り映画界の「ブランド・ネーム」となっている彼のネームバリューが、共演の望む有名俳優を誘う武器となるからです。そのミステリアスな魅力で、未だブランドは1週間百万ドルのギャラを稼いでいます。もっとも、彼の出演が興行成績へ貢献するかどうかは別問題で、スウェーデン語を話す役柄を演じながら、何語かわからない怪しげなブランド語でごまかした前作「フリー・マネー」など、投資金額も回収できずに終わったほどでした。台詞(せりふ)を覚えないことで悪名高いブランド、「モロー・・・」撮影中は補聴器を通して長い台詞のカンニングをしている途中、同じ波長の警察ラジオと混線しているのを気づかず、事件情報をそのまま喋りながら大立ち回りを演じて顰蹙(ひんしゅく)をかったエピソードは、先の「反逆児・・・」でご紹介したのをご記憶の読者もおられるかもしれません。自分勝手な行動で悪名高いブランドながら、ハリウッドが彼の名声と交換にエゴまみれの奇行を許す限り、まだしばらく「ブランド・ネーム」は健在が続くことでしょう。





(2001年8月)

Copyright (C) 2001 by DEN Publishing, Inc. All Rights Reserved.