Winnyを清く正しく美しく!


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代表的なPTPソフト2種
 貨幣という流通手段を考え出すまで、人類は物々交換に頼っていました。自分が欲しい物を持つ相手を見つけ、それと交換するため用意した物を差し出すところから交渉は始まります。交渉がまとまる大前提は、いうまでもなく用意したものへ相手が興味を持ってくれることです。この原始的な流通手段は現代社会まで生き残っており、子供の頃、誰もが野球カードの類(たぐい)を交換した経験はあるでしょう。

 アメリカで休日の野外映画館(ドライブイン・シアター)や学校の校庭を使って開かれる「スワップミート」が、名前のとおり原点は物々交換にあります。そこでインターネットの世界へスワップミートの発想が活かせるかどうか考えてみると、活かせないはずはありません。どころか、それが現実となって久しく今やユーザーは120万人を上回ると推定されるのが「Winny」の世界です。去年の暮、京都でユーザー2人の逮捕者を出して以来、それまでは聞き流したWinnyという名前に耳を止めるかたが結構おられるのでは?

 ただ、マスコミを騒がした結果が、むしろ悪用の宣伝効果となっている現状は、当局がもっと認識すべきだと思います。それと、スワップミートへ店を出すのは犯罪でなくとも、そこで麻薬を売れば犯罪となり、京都で2人が逮捕されたのも同じ理屈です。しかし、多くの人がそのニュースに彼らが麻薬を売って捕まったというよりは、スワップミートへ店を出して捕まった印象を受けていると思えてなりません。

 この事件が起こった後、しばらくはスワップミートに該当する非合法でないWinnyさえインターネット上から一歩退いた感があったかと思いきや、その後はすっかり元通りの状況へ戻りました。事件の前後を比べると、せいぜいWinnyという悪用すれば便利なソフトの存在が知れ渡り、非合法なユーザーはそれまでより慎重になったぐらいです。

 Winnyがユニークな点は、ヤフーその他のオークションと違ってスワップミートを取り仕切る親分がいません。スワップミートへ参加する者は物々交換の相手をインターネット上で捜し合い、見つかると親分抜きの取引が始まります。現実の物々交換と違う点は、交換する物を用意したほうが欲しい物は早く手に入るというだけで、まったく用意がなくてもいいのです。対象は京都の逮捕者のような最近の映画ばかりでなく、Microsoftの新しいWindowsOfficeなどのソフトが欲しければ、すぐ見つかります。

 見つけてダウンロードしたそれらの(非合法な)ファイルはrar形式などで圧縮されているのが普通ですから、解凍するためのソフトを持っていない場合は、インターネットからダウンロードするだけで高価なソフトが無償で入手できるのは確かです。しかし、海賊版と知りつつスワップミートで手に入れたソフトをこそこそ使っているのがばれた時の損得を計算すると、コンピュータへ深く係わり合う者ほど採算は合いません

 もし黙認される可能性があるとしたら、それは相手の利益になる場合だけです。コンピュータを売る人間がMicrosoftの新製品を研究するためWinnyで非合法なソフトをダウンロードした結果、Microsoftの損害は200ドルだと仮定します。その後、同じ人間が同じ新製品をコンピュータと一緒に200ドル分売ってくれたなら、Microsoftは200ドルの損害を追及するのが経費の無駄だと判断するでしょう。まして1,000ドル分を売ってくれたなら、もはや立派な営業マンです。いっぽう、コンピュータを売るため非合法なソフトでサービスされるとMicrosoftは黙っているはずがないのは当然だとわかります。

 もちろん、可能性があっても現実は黙認してもらえないと思ったほうが安全です。つまり、建前の社会では必ずしも本音が通じるとは限りません。私自身、たとえば去年の暮にMicrosoftがOffice 2003を発売する直前、Winnyからテスト用にダウンロードしたものの、発売されるや同じ内容の製品版を購入しました。その出費は無駄どころか、何かあった場合の保険料と考えれば安いものです。

 また、たとえ個人レベルならある程度までは許されるとしても、そうした非合法なソフトをWinnyでどれだけ入手したかを、あたかもコンピュータの知識のバロメーターだと勘違いしているようなユーザーがいます。こういうユーザーほど、どういうわけだか入手したソフトそのものを活かしていないのが不思議です。それではほとんどパロディーの世界で、まったく意味がありません。以上を踏まえ、今回のテーマは「Winnyを清く正しく美しく!」となりました。

 「P2P」と呼ばれるインターネット上で親分抜きのスワップミートを行うファイル交換ソフトでは、もっとも普及しているのが国産ソフトのWinny2です。現在の最新バージョンはWinny2b71で、これを検索サイトで捜せば簡単にダウンロード・ファイルを見つけられますが、中には捜すのが面倒だという不精なかたもおられることでしょう。そういうかたは次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックして下さい。

 ただし、このページからダウンロードされる場合、使用目的が著作権を侵害しないという前提条件に合意していただかなければならず、この前提条件を守れないかたはダウンロードできません。次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックされた後、著作権を侵害しない場合のみ使用することに合意する」という確認のメッセージへ「OK」すれば、それが合意の証となります。

Winny2b.71 Winny2のダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは630KB(645,502バイト)です。

 ともかくダウンロードが終われば、zip形式ファイルの中身をたとえば「C:\Program Files\Winny2」といった新規のフォルダへ解凍します。その中の「winny.exe」を実行するとWinny2は起動できますが、この状態では機能せず、まず初期ノードの設定が必要です。つまり、スワップミートのどこから捜し始めるかを指定します。

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初期ノード

 これらのノードのクラスターは上から「DVDISO」、「ノージャンル」、「アニメ」、「焙煎にんにく」、「ノージャンル」、「ノージャンル」、「焙煎にんにく」、「ノージャンル」となり、その意味合いがわからないかたも、とにかく以上8つのノード(つまり8行の文字列)をそのままコピーし、解凍したファイルの1つである「Noderef.txt」をメモ帳などで開き、そこへ貼り付けて保存して下さい。これで基本的な準備は整いました。

 インターネットへの接続が確認できたらWinny2を起動し、「検索単語」ボックスへ自分の欲しいファイル名を記入後、隣の「検索」ボタンをクリックします。該当するファイルは、しばらく待つと下にリストアップされますから、ダウンロードしたいファイルがあればその名前を右クリックして開いたメニューの「ダウウンロードリストに追加(A)」を選択して下さい。あとは放っておいてもコンピュータが勝手にやってくれます。以上の基本操作の他、右端の「設定」ボタンをクリックすれば通信から画面の色まで様々な設定を変更することも可能です。

 国産以外のP2PソフトではWinMXがあり、こちらは現在、もっとも新しいバージョンがWinMX331です。やはり検索サイトでダウンロード・ファイルは簡単に見つかりますが、不精なかたは次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックして下さい。その場合、使用目的が著作権を侵害しないという前提条件はWinny2と変わらず、次の「DOWNLOAD」ボタンのうち最初のボタンをクリックされた後、著作権を侵害しない場合のみ使用することに合意する」という確認のメッセージへ「OK」すれば、それが合意の証となります。

WinMX3.31 WinMXのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは752KB(770,048バイト)です。
日本語化キット WinISO日本語化のダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは16.70KB(17,197バイト)です。

 こちらは自己解凍型のファイルですので、ダウンロードしたファイルをクリックすれば自動的にインストールされます。インストールの途中で「Screen Name」の入力を求められますが、これは適当な名前でかまいません。そして、インストールが終わったWinMXはまずインターネットの接続をチェックし、問題がなければ「Connection Status」へ「Ready」と表示され、これで準備OKです。あとはWinny2の場合と同じく「Search」を選択してその「Open New Search」ボックスへ自分の欲しいファイル名を記入後、「Search」ボタンをクリックします。

 メニュー関係が英語では使いづらいというかたの場合、日本語化キットを使えばそれらの日本語化も簡単です。2つ目の「DOWNLOAD」ボタンをクリックし、「winmxjp4.zip」というファイルをダウンロード出来たら解凍して下さい。そうすると中には2つのファイルが収められており、1つは「language.txt」という名前ですので、これをWinMXと同じフォルダへコピーしてからWinMXを起動します。それだけで、(ヘルプなどを除く)メニュー関係が日本語表示となるのです。

 しばらくしてファイルがリストアップされた中からダウンロードしたいファイルを選択し、「Download」ボタンをクリックすれば、あとは待つだけです。なお、Winny2のフォルダが「キャッシュ」と「BBS」と「ダウンロード」の3つに分かれているのに対し、WinMXのほうは初期設定だとすべてが「Shared Files(共有ファイル)」フォルダを使います。したがって、選択したファイルはこのフォルダへダウンロードされ、他の誰かが同じファイルを求める時もここからアップロードされるわけです(出来ればWinny2同様ダウンロードフォルダは別に設定したほうがいいでしょう)。

 以上のP2Pソフトは、とにかく使ってみると特別コンピュータの知識がなくても要領は把握できると思います。使用上、1つだけご注意いただきたいのは、ランダムに接触する相手が必ずしもウィルス対策を講じているとは限りません。したがって、まず自らのガードを固めておくことが不可欠です(コンピュータ・ウィルスも最近では「W32,HLLW.Antinny」のようなWinnyファイル共有ネットワークを介して感染を広げるワームさえ登場しています)。あれば便利なソフトですので、皆さん、ウィルスの警戒を怠らず清く正しく美しくお使い下さい!

*興味があるかたは、「Yokochinのハイパーテキスト・マニュアル」の「ファイルのアップロード」も、ご参照いただけます。


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。

横井康和        


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