カジュアルにフレンチを・・・・・・京都篇


 以前、京都の和風フレンチをご紹介しましたが、それらはどちらかといえば敷居の高い店でした。そこで、もっと気軽に京都でフレンチが食べたいという方へ、今回は何軒かご紹介しましょう(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

ブラッスリー・カフェ・オンズ
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■ブラッスリー・カフェ・オンズ

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京都市下京区木屋町通四条下ル斎藤町125
075-351-0733

 京都の繁華街、四条木屋町からほんの数十メートル下がった左側にある、こじんまりとした店が「ブラッスリー・カフェ・オンズ」です。2007年よりオープンし、ガレットやクレープなどのフランスの地方料理や家庭料理、ステーキやムール貝やコンフィやエスカルゴのビストロ料理、パテやソーセージなどのシャルキュトリー、そして地方色豊かなサラダなどを、とてもリーゾナブルな値段で出しています。

 現地のビストロやカフェで見かける素朴だけど豪快で美味しい料理とデザートなど、楽しいフランス料理を伝えてゆきたいという意気込みだけあって、フランスをはじめとする海外からの客も多く、時には大半の客が外人です。以前、他の店で知り合ったアメリカからの旅行客へ、日本食に飽きた時はこういう店もあるよと紹介したら、その前日、インターネットで調べて行ったばかりだということでした。

 なお、2013年からは姉妹店であるフランス食堂「カンティーヌ オー・ディスコ」もオープンしています。基本的に同じ料理を出していますが、店長曰(いわ)く、パテはこちらの店(ディスコ)のほうが美味しいそうです。まったく同じ材料と製法ながら、まだオンズほどの知吊度はなく、さらに狭い店内ゆえ、ゆっくり寝かせる時間的な余裕があるのだとか・・・・・・じっさい行ってみると、狭いながらも混んでますけど。

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 写真は左から「生ハム(#1)」、「田舎風パテ(#2)」、「鴨のパテ(#3)」、「ニース風サラダ(#4)」、「鴨のコンフィ(#5)」。パテも然ることながら、この店の売り物は、なんといっても鴨のコンフィでしょう。

シトロン・ブレ
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■シトロン・ブレ

www.citron-kyoto.com
京都市中京区麩屋町通四条上ル東側桝屋町514 コリスアルタス1F
075-708-6664

 錦市場から麩屋町通りを四条へ向かってほんの数十メートル下がった左側にある「シトロン・ブレ」、そもそもフランス風串揚げがあると聞いて行こうと思い立ったのです。その頃は、このフランス風串揚げが店の主役で、32種類の単品や6種類か10種類のおまかせなど、メニューも豊富でした。まずは塩4種類に昔懐かしのツバメ・ウスターソースとブラックペッパーが出てくる演出も、なかなか凝ってます。しかし、2年ぐらい前に行ってみるとフランス風串揚げは32種類から12種類へ減っており、主役が十勝牛のランプ・ステーキに入れ替わっていました。

 新しい主役はシェフの長野侯三がフランスで学んだ調理法で火を入れた国産牛ステーキ、それはそれで悪くありません。種類こそ減りましたが、昔ながらのフランス風串揚げ、あるいはフォアグラやサラダ、そして様々なワインやビールがリーゾナブルな値段で楽しめるし、シェフはけっこう我儘も聞いてくれます。以前フォアグラの西京焼きをお願いしたのですが、はたして実現するでしょうか?

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 写真は左から「串揚げ用の塩4種類にソースとブラックペッパー(#6)」、「串揚げ(#7)」、「サラダ(#8)」、「フォアグラ(#9)」、「熟成した十勝牛のランプ・ステーキ(#10)」。

イカリヤ食堂
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■イカリヤ食堂

ikariya-syokudo.com
京都市下京区木屋町団栗橋下ル斎藤町138-2
075-276-2067
050-5513-9986(予約専用番号)

 この「イカリヤ食堂」は、どちらかといえばロサンゼルスでよくあるフレンチ・イタリアン(フランス風イタリア料理)の店で、そこへ日本の洋食屋風の吊前と日本人シェフが作っているのですから、正確には「フレンチ」というより「ジャパニーズ・フレンチ・イタリアン」の店です。ただし、先のオンズ同様、ここも流行りだしてから姉妹店を2軒オープンしており、どちらもフレンチを前面に押し出しています。

 姉妹店の1軒が「KYOTO ikariya523(イカリヤゴーニーサン)」で、イカリヤ食堂と同じ木屋町通りを上がった三条通りと御池通りの中間です。そして、もう1軒が「Ikariya Petit(イカリヤプチ)」で、こちらは京都駅から歩いて10分とかかりません。オンズの2号店ディスコが同じような雰囲気であるのと比べ、イカリヤ食堂とこれらの2号店および3号店は、やや雰囲気が違います。やはりオリジナルのイカリヤ食堂をお薦めしたいところです。

 料理の感触もオンズと似ていて、生ハムとかコンフィは定番メニューである他、この店独特なのがココット・スフレ・フロマージュといえるでしょう。また海老ガーリック・オイル煮は、早い話がスペインのタパスで定番のアヒージョと変わりません。ブイヤベースもヨーロッパだったらどこの国でもあるのと同じ感覚です。なんといっても、これからの季節(夏場)は、鮎のコンフィが京都らしくていい。

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 写真は左から「パルマ産15ケ月熟成削り生ハム(#11)」、「ココット・スフレ・フロマージュ(#12)」、「海老ガーリック・オイル煮(#13)」、「鮎のコンフィ(#14)」、「牛ミンチ肉のパイ包み焼(#15)」。個人的にスフレ・フロマージュを気に入ってます。

 今回の写真には含まれていませんが、フランス食堂という以上、どの店もデザート類は豊富で定番のクレームブリュレをはじめ、趣向を凝らしています。もっとも、今のところクレームブリュレの表面を焦がすため、みんなバーナーを使っており、専用のコテを使っている店はありません。クレームブリュレ好きの私としては、1軒ずつコテをプレゼントして回りたいぐらいです。

横 井 康 和      


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