L・Aで焼肉を


 ロサンゼルスのコリアンタウンへ行けば、それこそ腐るほど焼肉屋はありますが、そちらはまたの機会に譲るとして、数が少ないとはいえ日本スタイルの焼肉屋もあります。今回ご紹介するのは、そんな中から「Totoraku」、「Manpuku」、「Gyu-kaku」の3軒を選んでみました(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Totoraku
画像による目次はここをクリックして下さい
■Totoraku

10610 Pico Blvd., Los Angeles
310-838-9881

 ウェストL・Aのピコ通りにある大山数久(Kaz Oyama)の焼肉屋「ととらく」は、一元さんお断りで必ず予約が必要です。看板(サイン)はいっさいなく、営業中でも鍵がかかっていて入れません。ノックをすると、中から(大山の)奥さんが顔を出し、予約した客であることを確かめてから初めてドアを開けてくれます。

 大山夫妻がこの店を出す前はソーテル通りの「Manpuku」におり、その頃から「シェフ大山」の腕が評判となっていました。独立して看板のない一元さんお断りの店を出したのは、それだけ自信があったのでしょう。その後、イチロー選手の来店で一躍有名となり、この店のことを耳にされた方はおられるかもしれません。

 ただ、この店がいくら美味しいとはいえコースが濃厚なので、ときどき無性に食べたくなる半面、1度行くと3ケ月ぐらいはパスしたくなります。そして1年以上パスすると、予約しようとしても「うちでは1年以上来られないと一元さんと見なしております」という冷たい言葉が返ってきますから注意して下さい。

画像による目次はここをクリックして下さい
#1
画像による目次はここをクリックして下さい
#2
画像による目次はここをクリックして下さい
#3
画像による目次はここをクリックして下さい
#4
画像による目次はここをクリックして下さい
#5

 写真は左から「アペタイザー(#1)」、「ビーフのタタキ(#2)」、「タン(#3)」、「リブアイとお新香(#4)」、「クッパ(#5)」。

Manpuku
画像による目次はここをクリックして下さい
■Manpuku

www.manpukuus.com
2125 Sawtelle Blvd., Los Angeles
310-473-0580

 ソーテル通りの「Manpuku」は、もともと東京の「まんぷく」自由が丘店が最初で、60年以上昔のことです。その後、祇園へもお茶屋を改造した店を出したものの、そっちはしばらくして独立し、名前が変わりました。日本のまんぷくはさておき、このロサンゼルス店の味が一番良かったのは先にも書いた現在Totorakuのオーナーである大山数久が始めた頃です。代替わりをしてから、だいぶ味は落ちていますが、独特の塩焼スタイルはここしかありません。

 この店のシグネチャー・メニューであるタン塩焼は、アメリカ産の黒毛和牛の新鮮なタンをスライスして塩漬けの刻んだ東京ネギで味付けしてあります。そんなタン塩焼を出すManpukuがアメリカでスタートしたのはこのソーテルのウェストL・A店ですが、その後トーランス店、コスタメサ店、サード通りのウェスト・ハリウッド店とロサンゼルスで4店舗まで増えました。ちなみに、日本のまんぷくは自由が丘店のほか六本木店、青山店、代々木上原店とチェーン展開しており、西麻布の「十々(じゅうじゅう)」や西麻布の「胡同(ふーとん)」も系列店です。

画像による目次はここをクリックして下さい
#6
画像による目次はここをクリックして下さい
#7
画像による目次はここをクリックして下さい
#8
画像による目次はここをクリックして下さい
#9
画像による目次はここをクリックして下さい
#10

 写真は左から「ワカメ・サラダ(#6)」、「肉刺(#7)」、「塩カルビ、タン塩、塩ミノの塩トリオ(#8)」、「ハラミとカルビのタレ(#9)」、「冷麺(#10)」。

Gyu-Kaku
画像による目次はここをクリックして下さい
■Gyu-Kaku

www.gyu-kaku.com/west-la
10925 Pico Blvd., Los Angeles
310-234-8641

 今や全世界で700店舗以上ある「Gyu-Kaku」の中で、 このピコ通りにある全米第1号店がオープンしたのは2001年でした。その後、ラシエネガ通りのハウス直営の「Curry House」がソーテルへ引っ越した後、Gyu-Kakuビバリーヒルズ店となり、現在は南カリフォルニアだけで14店舗を展開しています。2007年にホット・コンセプト賞を受賞して以降、ますます需要が高まっている反面、ますます日本の牛角とはかけ離れてきたようです。

 2001年当初のGyu-Kakuのメニューが比較的日本のそれと近かったのも束の間で、アメリカ人の客層へ合わせて少しずつ変化するうち、今ではすっかりアメリカナイズされています。アメリカの場合、焼肉が初めてという客はけっこういますから、みんなでシェアできる「シェアード・プレート」がいろいろと用意されていたり、麺はガーリック・ヌードルが人気みたいです。そして、すき焼きビビンバなど、いかにもアメリカらしいメニューもあります。

 メインの肉は、味噌でマリネしたハラミ・スカート・ステーキが一番売れているそうです。その他、タレでマリネした認定アンガス・カルビ・ショートリブなど、幅広い肉料理を選択できる中でも、一部のアンガス・ビーフは柔らかさを増し、豊かな風味を増すため21日間熟成させています。ロサンゼルスへ来られる日本人で焼肉がお好きな方なら、こことまんぷくの日米味比べはいかがでしょうか?

画像による目次はここをクリックして下さい
#11
画像による目次はここをクリックして下さい
#12
画像による目次はここをクリックして下さい
#13
画像による目次はここをクリックして下さい
#14
画像による目次はここをクリックして下さい
#15

 写真は左から「牛角サラダ(#11)」、「ソフトシェルクラブ(#12)」、「タン(#13)」、「ハラミ(#14)」、「ガーリック・ヌードル(#15)」。#12のソフトシェルクラブはない時もあります。#15のガーリック・ヌードルがGyu-Kaku独特で悪くありません。

 京都の焼肉屋に続いてロサンゼルスの焼肉屋をご紹介した以上、東京や大阪もいつか取り上げたいと思っています。また、冒頭で触れたとおり、同じロサンゼルスの焼肉屋だとコリアンタウンは外せません。サンディエゴで通った韓国人の焼肉屋も忘れ難いものがあります。

横 井 康 和      


Copyright (C) 2019 by Yasukazu Yokoi. All Rights Reserved.

フレンチディップ 目次に戻ります そば粉でクレープ・・・