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(2019年8月)          


Unsolved
アンソルヴド

by James Patterson and David Ellis


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 本著は、かつてジームズ・パターソンがデヴィッド・エリスと書いた「インヴィジブル(2014年)」の続編です。当時はシリーズ化を考えていなかったようですが、4年を経て続編が出版されたのは読者にとって嬉しいことです。4年振りで登場するFBI捜査官エミー・ドッカリーは、若くてやる気があり、ぜったい容赦しません。他人(ひと)が見過ごすような線と線とのつながりを見つける能力は、彼女へ一連の逮捕をもたらしてきました。

 そんなドッカリーも、全米各地で衝撃的な事件が次々と起こり、まったく困惑しています。犠牲者は全員、一見事故死のようで共通点がありません。しかし、これら多くの死は偶然であるはずがないばかりか、殺人犯はどういうわけだかドッカリーのあらゆる動きを一歩先んじているのです。どうやって?

 いっぽう、FBIの特別捜査官「ブックス」ことハリソン・ブックマンにとって、FBIの誰もが容疑者であり、中でも彼はドッカリーを疑っています。彼女が彼の前任者であるという事実は、ブックスの判断へ何ら影響を及ぼしません。加えて、他の誰かがドッカリーを見ています。その誰かは彼女の行動を学び、攻撃するのに最適な時を待っているのです。

 本著でもパターソンは冒頭から飛ばします。読者が何を望んでいるか熟知するパターソンは、最初のわずか数頁で彼らの心をつかみ、ぐいぐいと最後まで引きずって離しません。「インヴィジブル」同様、本著でも人称の使い方が上手く、読者は誰が一人称で語っており、自分は悪人だと語っているのが誰なのか、混乱させられます。そしてその先まで読み進むうち、混乱していた部分はクリアーになると同時、読書を中断するのが難しくなるでしょう。

 本著はパターソンが「インヴィジブル」以来久し振りぶりでデヴィッド・エリスと組んだフィクションです。そのエリスはイリノイ州控訴裁判所の判事であり、エドガー賞を受賞した「ライン・オブ・ビジョン(2001年)」やロサンゼルス・タイムズ紙のブック賞を受賞した「ヒドゥン・マン(2009年)」を含む小説9作の著者でもあります。

 2人が再びタッグを組んだ本著は、ジェットコースターに乗るようなスリリングなサスペンスです。誰が殺人者かわかったと思えば違う、そこはパターソン・ファンならお馴染みのパターンだといえます。このエミー・ドッカリー・ノベルも、今後シリーズ化が続くことは間違いありません。今から次作が楽しみです。


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(2019年8月)

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