ディズニー・オンラインはここをクリックして下さい
(1996年7月1日)          




マッチョ・ムーア

最新作“素顔のままで”での見事にトーン・アップされたヌードが話題のデミ・ムーアですが、現在撮影中の次作で米海軍シール・チームの一員を演じる彼女の肉体は、たんなる外見だけのものではないようです。“G・Iジェーン”というアクション作品がそれで、技術的アドバイザーを務める元米海軍シールのハリー・ハンフリーによれば、ムーアをはじめとする出演俳優たちは実際のシール・チーム同様の訓練キャンプで2週間の特訓を受け、その間ムーアは特別扱いを拒否してすべての訓練課程をこなしたばかりか、男優でも音をあげてしまう過酷なトレーニングを必死で耐えて抜いたとか。ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー主演でヒット中のアルカトラス刑務所を舞台にした“ロック”でも何百人というエクストラを訓練したハンフリーはカウンター・テロのエキスパート、そんな彼の太鼓判つきですから、ムーアの鍛え上げた体は正真正銘のハード・ボディーです。その上、ムーアは自腹で100人以上のスタッフへ頻繁にビールとピザを奉仕したり、ロケ地のバージニア州リッチモンドで最高級のホテルから素晴らしい朝食をケータリングさせたりと細かい気配りをし、セットの人気者になっています。





ブロックとスター街道

この夏の期待作、ジョン・グリシャム原作の法廷スリラーでサンドラ・ブロック主演の“評決のとき”を監督した売れっ子ディレクター、ジョエル・シューマーカーは、ブロックが新ジュリア・ロバーツと言われていることについて、「まだ28才のジュリアの新版を創ろうとしたり、彼女のカムバックを話題にするほうがおかしい」。また、“フラットライナーズ"、"愛の選択”の2作でロバーツを起用した彼は、「長年に渡って人気を維持できる男優と違い、人気衰退の早い女優たちは気の毒だ」とも語っています。現在“バットマンとロビン”の製作準備に入っているジョエルは、ブロックが“評決の・・・”で今までの平凡な女性役とは違う、強引で個性的なミシシッピー大学法学部の学生を演じ、強力な共演者に囲まれてアンサンブル・キャストの一員となったことが、彼女のキャリアにプラスとなると予想しているそうです。そういえば、メリル・ストリープ、メグ・ライアン、ジーナ・デービス、メラニー・グリフィスといった大女優も、自分一人で看板を担がなければならない企画のおかげでキャリアは下降気味。デミ・ムーアも“ゴースト”ではパトリック・スウェイジーと、“ヒュー・グッドメン”ではトム・クルーズ、ジャック・ニコルソンと、そして“インディーセント・プロポーザル”ではロバート・レッドフォードとの共演で成功した反面、一人舞台の“スカーレット・レター”がみごと転けました。その点で“素顔のままで”もギャンブルといえるでしょう。1994年にジョエルが監督したグリシャム小説の映画化“依頼人”でも、主役のスーザン・サランドン起用を巡って彼女の49才という年齢からスタジオと大騒動があったとか。寿命の短いトップ女優の座、もっと彼女たちが活躍できる企画が出てきてほしいものですね!





悪魔の為せる技?

以前このページで紹介した、ブラッド・ピットとハリソン・フォード主演のアクション・スリラー“デビル”は、2月の撮影開始以来ロケ地ニューヨークとアイルランドでの悪天候や脚本の書き直しなど問題続出、公開が大幅に遅れて11月か12月頃になる予定。そもそも、IRA(アイルランド共和国軍)コマンド役のブラッドの映画なのか、彼を追うニューヨーク警察官を演じるハリソンの映画なのか焦点が定まらなかったところへ、アラン・パクラ監督("ペリカン白書")は脚本に不満のスター2人へ気を使い、撮影をしながら脚本を書き換えていくという、最悪の展開になってしまったのが一番の原因です。一時はブラッドが降りると言いだし、製作側のコロンビア・スタジオは6、000万ドルの訴訟を盾に彼を説得して(脅して?)続行という、題名の因縁か、まさに悪魔がとりついたような映画になりつつありますが、さて仕上がりのほどは・・・・・・?





ホット・ディアス

1995年の爆発的ヒット作“マスク”でジム・キャリーと共演デビューし、全米劇場主協会から本年度の「最も将来性のある女優」に選ばれたキャメロン・ディアスは、現在“ベストフレンズ・ウェディング”という作品でジュリア・ロバーツとの共演が噂されています。この映画は、ジュリア扮する女性とその親友(男性)が、10年後お互いに独身のままだったら2人で結婚しようと約束し、その親友が10年経ってディアス演じる女性と結婚する際、ロバーツへベストマン(仲人)を依頼するというロマンチック・コメディー。このセクシーでチャーミングな彼女の次回作は、キアヌ・リーブスと共演のダーク・コメディー“フィーリング・ミネソタ”です。





新人ゲーム




新作“評決のとき”の原作者ジョン・グリシャムとジョエル・シューマーカー監督は、これが思い入れの強い作品なだけ、サンドラ・ブロックの共演者選択で1年以上を費やしました。その間、マッカリー・カルキン("ホーム・アローン")、ポール・ニューマン、ウッディー・ハレルソン("ナチュラル・ボーン・キラーズ")、バル・キルマー("バットマン・フォーエバー")からブラッド・ピットまで多彩な俳優が候補に上がった末、結局大役を射止めたのはマシュー・マッコナヒーという25才で無名の新人。“ボーイズ・オン・ザ・サイド”の脇役が注目され、彼のオーディション・ビデオを見たグリシャムとジョエルは興奮して「彼だ!」と言ったエピソードが、すでに伝説化しています。今、そんなハリウッドでは新人をキャストするのがトレンディーで、撮影中の新作コメディー“エージェント”でトム・クルーズの恋人役を務めるのは26才の新人レニー・ゼルウィガー、そしてキアヌ・リーブス主演の新作アクション“チェイン・リアクション”で彼の相手役レイチェル・ワイズは、ロンドンの舞台出身で25才の新人女優、本命だったミラ・ソルビノ(今年のアカデミー助演女優賞受賞者)の交渉決裂後に抜擢されました。まずまずの成功を収めたリチャード・ギアの“真実の行方”で素晴らしい演技を披露しているエドワード・ノートンにしても、2000人のオーディションの中から選ばれた新人なら、前出のトム・クルーズと共演しているゼルウィガーに至っては、ブリジット・フォンダ、マリサ・トーメイ、ウィノナ・ライダーといったベテラン若手女優陣を押さえてのキャスティングです。



(1996年7月1日)

Copyright (C) 1996 by DEN Publishing, Inc. All Rights Reserved.