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(2019年8月)          




声優リーヴス

ディズニー/ピクサーのシリーズ最新作「トイ・ストーリー4」では、キアヌ・リーヴス(写真)が新キャラクター、デューク・カブーンの声を熱演しています。デューク・カブーンは、ウッディ(トム・ハンクス)が新たな冒険の先で出会うカナダ出身のバイク・スタントマンのおもちゃで、TVコマーシャルのように高く遠くへ飛べないため持ち主の子供から飽きられてしまったことがトラウマとなり、自分に自信が持てないキャラクターです。日本の場合は、まず映像を作って後から声を収録する「アフレコ」が一般的なのと比べ、アメリカでは、まず声を収録してから映像を作る「プレスコ」が主流。そのため本作に登場するキャラクターたちへは、声優キャストによる演技が大きく反映されています。ジョシュ・クーリー監督いわく、「声を先に録るのは、声優へ演技をしてもらって、それにアニメーターが反応するやり方をしたいからなんだ。(声優へ先に演技をしてもらうと)セリフの途中でせきをしたり、普通にしゃべっていると起こる自然な反応があるよね。私は、そういう自然な反応が欲しいんだ」そうです。リーヴスのことも、「彼は世界一クールだよ。すごく良い人間で、何もしなくても面白い」と絶賛、リーヴスとデューク・カブーンのキャラクターを話し合ったときは、リーヴスが「フッ!」、「ハッ!」とポーズを取りだしたのを気に入って、それを映画の中で採用したと明かしています。なお、本作のアイデアを考えたのは1作目からシリーズへ携わってきた脚本および製作総指揮のアンドリュー・スタントンで、彼は多くのファンが3作目で完結したと思っていたのを、「トイ・ストーリー4」こそ本当の完結だと思わせたかったそうです。そして、スタントンの思惑どおりの結果となりました。



今年の稼ぎ頭

今年も米フォーブス誌が恒例の「2019年度世界で最も高収入のエンターテイナー・トップ100」を発表しました。昨年6月から今年6月まで1年間の収入を比較したこのリストは、1位が歌手のテイラー・スウィフト(写真)29歳で、収入は1億8,500万ドル(約222億円)、その大半が去年の「レピュテーション・スタジアム・ツアー」によるものです。本ツアーの総売上は2億6,610万ドル(約319億円)と、アメリカのツアー史上最高を記録しました。2位は、同誌が「自力でのし上がった最年少のビリオネア」と称するカイリー・ジェンナー21歳、キム・カーダシアンの妹で、自ら立ち上げたコスメ・ブランドからの収入で1億7,000万ドル(約204億円)を稼いでいます。3位はヒップホップ歌手のカニエ・ウェスト42歳、その収入のほとんどがアディダスと提携したオリジナル・スニーカーの売上です。以下、リオネル・メッシ選手、歌手のエド・シーラン、クリスティアーノ・ロナウド選手、ネイマール選手、ロックバンドのイーグルスらが10位内へ入っており、それぞれの収入は以下のとおりです。

  1位:テイラー・スウィフト(1億8,500万ドル/約222億円)
2位:カイリー・ジェンナー(1億7,000万ドル/約204億円)
3位:カニエ・ウェスト(1億5,000万ドル/約180億円)
4位:リオネル・メッシ(1億2,700万ドル/約153億円)
5位:エド・シーラン(1億1,000万ドル/約132億円)
6位:クリスティアーノ・ロナウド(1億900万ドル/約131億円)
7位:ネイマール(1億500万ドル/約126億円)
8位:イーグルス(1億ドル/約120億円)
9位:ドクター・フィル・マクグロウ(9,500万ドル/約114億円)
10位:サウル・アルバレス(9,400万ドル/約113億円)

また、20位以内に「ハリー・ポッター・シリーズ」の著者J・K・ローリング(13位)、俳優ドウェイン・ジョンソン(15位)、エルトン・ジョン(19位)、ラップ歌手ジェイ・Z、ビヨンセ(20位)らの名前が挙がっている他、レディー・ガガは今回90位となっています。



スパイダーマンの今後

先月、ご紹介した「スパイダーマンとヴェノムの共演」はまだ未定ですが、その他のスパイダーマン映画も気になるところです。ヒット中の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」は7月末現在で世界の興行収益が10億ドル(約1,100億円)を突破しており、アイアンマンことトニー・スタークの死から数ケ月後という設定のこの映画では、トム・ホランド(写真)演じる「スパイダーマン」ことピーター・パーカーがMJ(ゼンデイヤ)と親友ネッド(ジェイコブ・バタロン)らと夏休みのヨーロッパ旅行へ出掛けます。しかし、旅行先で水を操るモンスターが登場して街は大混乱に陥る上、パーカーの前へニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が現われ、謎多きニューヒーローのミステリオ(ジェイク・ギレンホール)と引き合わされるのです。こうして存在感を発揮するホランド演じる最近のスパイダーマンは、もともと単独のスパイダーマン映画3本に加え、MCU(マーベル・コミック・ユニバース)作3本に出演するという契約内容でした。つまり、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)」と「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)」、そして今年の「アベンジャーズ/エンドゲーム」でMCU作3本を消化しており、「スパイダーマン:ホームカミング(2017年)」と本作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が封切られた後、残すは単独映画の3作目のみとなります。ただ、シリーズの次作をもってホランドが登場しなくなることは、まずないでしょう。一部のメディアが報じるところでは、今後スパイダーマンの映像化権をマーベル(ディズニー)がソニーから買い取り、ホランドはマーベル製作の作品へスパイダーマン役として長年出演していくだろうとのことです。



グラハムの新作

「ブギーナイツ(1997年)」や「ハングオーバー・シリーズ」のヘザー・グラハム(写真)が、新作スリラー「ワンダー」でアーロン・エッカートと共演することが決まりました。本作は、精神的に不安定な私立探偵アーサー・ブレトニク(エッカート)が町で起こった不可解な死を調査するうち、この事件は自身の娘の死を引き起こした時と同じ隠蔽工作が係わっていると気づくのです。グラハムは、そのブレトニクの親友で弁護士のシェリー・ラスカム役を演じます。ティム・ドワロンの書いた脚本を、トロント国際映画祭で注目を集めた「アンダー・ハー・マウス(2016年)」のエイプリル・マレンが監督し、先月ニューメキシコ州でクランクインしました。その他、グラハムは人気TVドラマ「ビッグ・リトル'ライズ セレブママたちの憂うつ」の原作者リアン・モリアーティによるベストセラー小説を、ABCがドラマ化した「ヒプノティスツ・ラブ・ストーリー」のパイロット版でも制作総指揮および主演を務めています。また、NBCのTVドラマ「ロー&オーダー」のスピンオフで、実際の事件をドラマ化するアンソロジー・シリーズ「ロー&オーダー:トゥルー・クライム」へ、彼女やエリザベス・リーサー(「トワイライト・シリーズ」、「グレイズ・アナトミー」)が出演。シーズン1は「メネンデス・マーダーズ」と題し、ライル&エリック・メネンデス兄弟による1989年の両親殺害事件が8話構成で描かれます。グラハムの役柄は、メネンデス兄弟の精神科医と不倫関係のセクシーで感情的に不安定な女性ジュダロン・スミスです。昨今、アメリカでは実在する事件のドラマ化が人気を集めており、ケーブル局FXの「アメリカン・クライム・ストーリー:O・J・シンプソン事件」はエミー作品賞、ゴールデングローブ作品賞(ミニシリーズ/TV映画部門)を受賞しています。



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