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(2019年7月)          




ストーンの新作

2010年に公開されたウィル・グラック監督作「小悪魔はなぜモテる?!(写真)」は予想外のヒットとなり、あまり知られていなかったエマ・ストーンをスターダムにのし上げました。現在、そのスピンオフ企画が進んでいます。製作会社「スクリーン・ジェムズ」は、前作で脚本を担当したバート・ロイヤルへスピンオフ映画の脚本を依頼したばかりでなく、彼に監督のポジションもオファーしました。ロイヤルがメガホンを取るのはこのスピンオフ映画が初めてとなり、製作総指揮は前作と同じザンヌ・ディヴァインが務めます。ロイヤル曰(いわ)く、「前作を書いて以来、時代はかなり変わったよ。今じゃ、新しい世界で人々がとてもオープンだ。新しい世代はプロテストする(抗議する)代わりセレブレートする(祝う)のさ。10年前タブーだったことさえも、今やタブーじゃなくなっている。だから、まったく違う状況の中で掘り下げるのが楽しくなるようなことが沢山ある」と、スピンオフへの意気込みは並々ならぬものがあります。舞台は前作と同じオーハイ・ノース高校で、オリーヴ・ペンダーガスト(ストーン)の弟チップが新しい世代の代表として主人公となり、ストーンやペン・バッジリー、アマンダ・バインズらオリジナル・キャストは出演するかどうか不明ですが、ロイヤルは「前作と同じ世界が舞台だから、できる限りみんなに出演してほしいと願っているんだ。出てくれるっていうなら、(オリジナル・キャスト)全員へ役はある」そうです。中でもオリーブとチップの両親を演じたスタンリー・トゥッチとパトリシア・クラークソンの続投が望まれています。前作は5日間で最後の10ページを除く全体の脚本を書いたというロイヤル、次作がどう展開するのか楽しみですね!



13年振りのカウボーイ姿

ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)および「フランスのアカデミー賞」と言われるセザール賞で監督賞、撮影賞、美術賞、音響賞の4冠を受賞したジャック・オーディアール監督作「ゴールデン・リバー(写真)」では、主演のジェイク・ギレンホールが「ブロークバック・マウンテン(2005年)」以来13年ぶりにカウボーイ姿で登場しています。本作でのギレンホールの役柄は、ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックス演じる殺し屋兄弟が確実に獲物を仕留めるための偵察係モリスです。モリスは化学者ウォーム(リズ・アーメッド)を仕留めるための情報をこの兄弟へ伝えるべく彼に近づきますが、ウォームの夢は「黄金を元手に貧富のない目指す理想の社会を作ること」だと知って、すっかり心酔します。これまで誰も信じられず心を閉ざして生きてきた彼が、ウォームとの間で芽生えた初めての友情へ生きる喜びを見出し、ともに殺し屋兄弟から逃げるという複雑な役どころです。今回の撮影にあたって、「(映画の背景となる)19世紀の東海岸の名門大学で学んだ人間が、一体どんな話し方をすると思う? どんな言葉遣いをすればいいんだろう?」と、オーディアール監督へ質問したギレンホールは、殺し屋でありながら偵察係でもあるモリスの経歴を表現し、その喋り方を研究するため1ケ月かけて言語学者とリサーチしたとか。撮影が始まる前に自分のセリフへ発音の注釈をつけて完璧に準備してきたことへ、監督は「あと衣装が必要なだけだった。まったく驚いたよ!」と、その徹底した彼の役作りを絶賛しています。米仏羅西合作の西部劇である本作は、フランスでの封切りが2018年9月19日、アメリカでの封切りが2018年10月12日、日本では今月(7月)5日にいよいよ公開です。



ラインハートの新作

アメリカの人気TVシリーズ「リバーデイル」で知られる若手女優リリ・ラインハート(写真)が、アマゾン・スタジオの新作「ケミカル・ハート」へ主演すると発表されました。本作は、新人作家クリスタル・サザーランドが2016年に発表したヤング・アダルト小説「アワー・ケミカル・ハート」の映画化企画で、恋をしたこともない恥ずかしがり屋のオタクな男子高校生ヘンリーと、ラインハート演じるミステリアスな転校生グレースが織りなす不器用な恋愛模様を描く青春映画です。脚本監督はリチャード・タンネ(「サウスサイドであなたと」)が、プロデュースはアレックス・サックス(「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」)があたるほか、ラインハート自身、ジャミン・オブライエン(「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」)とともに、初の製作総指揮へ挑みます。現在ニュージャージーで撮影が行われている本作について、「初恋のときめきと切なさを鮮烈に描き出し、世界中の読者の心を捉えたこの素晴らしい小説を、才能豊かなキャストやスタッフと映画化できることへ、とても興奮している'と語ったアマゾン・スタジオ映画部門トップのジュリー・ラパポートはまた、ラインハート演じるグレースが、杖なしでは歩けないという設定であることから、障害を持つキャラクターのスクリーンでの適切な描写を支援する米非営利団体「リスペクト・アビリティー(RespectAbility)」と連携のもと製作にあたっていると明かしました。エル・ファニング主演のスリラー「ガルヴェストン(2018年)」での好演が記憶に新しいラインハートは、この後、ジェニファー・ロペスと「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウー主演作「ハスラーズ」の撮影が控えています。



スパイダーマンとヴェノムの共演

トム・ホランドがスパイダーマンを演じる「スパイダーマン・ホームカミング(2017年)」と現在公開中の「スパイダーマン・ファー・フロム・ホーム(写真)」、トム・ハーディ主演の「ヴェノム(2018年)」、そして第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した「スパイダーマン・スパイダーバース(2018年)」をプロデュースしてきたプロデューサーのエイミー・パスカルが、ソニーとの契約満了に伴い、ユニバーサルと新たなファーストルック契約を結びました。ファーストルック契約とはスタジオが企画開発費用を支援する代わり、優先的にプロデューサーや監督の企画を製作配給できるというものですが、「スパイダーマン・シリーズ」へは今後も引き続き携わっていくそうです。そこで、スパイダーマンとヴェノムの共演が実現するかどうか? というのも、両方のキャラクターを所有しているのはソニーながら、マーベルと提携した結果、「ホームカミング」と「ファー・フロム・ホーム」が「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」へ組み込まれている一方で、「ヴェノム」は違います。マーベルとの契約が現在どうなっているのかパスカルは詳細を明かしていないものの、スパイダーマンがヴェノムと共演する可能性を、「それはみんなが観たいでしょうね。いつか起こるかもしれないわ。わたしたちにはトム・ホランドを全ての作品へ参加させる大きな計画があるのよ」と思わせぶりな予告をしました。また、マーベルの社長ケヴィン・ファイギはスパイダーマンとヴェノムの共演が、「たぶんソニー次第だと思う。ヴェノムは(MCUでなく)彼ら(ソニー)の世界にいる。僕は次のヴェノム映画を彼らがどう計画しているか、あるいはそういう計画があるかどうかも知らない。でも、どこかのタイミングでは起きそうだね」と語っているのです。



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