グーグル「Gメール」の活用


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 去年の暮以来、このコラムではGoogle EarthGoogleマップをご紹介してきましたが、今回はその続きで、いわばGoogleシリーズ第3弾です。今回ご紹介する「Gメール」も(Google EarthやGoogleマップ同様)、やはりGoogleが無償で提供するオンライン・サービスの一つであり、その様々な機能は同じような他のサービスとまったく次元が違う「優れもの」といえます。そこで、まずどのようなサービスなのか、Gメールの自己紹介ページ「Gmailについて」から一部を引用しながら順を追って説明してゆきましょう(以下、臙脂で色分けした部分が引用文)。

Gメールとは?

「GmailはGoogleが無料で提供するウェブメール サービスで、Google の検索技術を搭載し、2,500MBを超える保存容量を備えています (この容量は日々増大しています)。Gmailでは、重要なメッセージ、ファイル、写真を保存したり、検索機能を使って必要な情報をすばやく簡単に探し出すことができます。メッセージはスレッド形式で表示されるので、前後のやりとりも簡単に理解することができます」

 もっとも大きな特徴は、この独自の検索技術および他のサービスと桁違いの保存容量です(Gメールが登場した当初は1GB)。保存するのが動画などのメディア・ファイルであれば、いくら2.5GB以上の保存容量とはいえDVD1枚分にも満たないサイズながら、そこへ保存するのがEメールの場合は事情が違います。たとえば、私のアウトルック・エクスプレスに現在保存されている5,000通以上のEメールは、画像その他のファイルを添付したものが多い点では一般ユーザーと比較になりません。その5,000通以上のEメールですら、全ファイル容量がたった600MB(0.6GB)程度なのです。

 Eメールなら、ほぼ無限大と思われる保存容量へ加え、その独自の検索技術を実現すべくGメールは非常に斬新な発想から生まれました。オンラインのメール・サービスと限らずアウトルックその他を含む一般のメール・ソフトが、フォルダ毎でメールを分類して保存する従来のやり方の代わり、Gメールではすべてのメールが一括して取り扱われます。

 したがって、「受信トレイ」も「送信トレイ」も区別はなく、まとめて保存したメールを見る時点で検索するという発想です。また、受信メール返信メール流れに沿って読めるよう、スレッドという形式で一括表示されるため、他のメール・ソフトのような「受信トレイ」と「受信トレイ」を行ったり来たりする煩わしさはなくて済みます。その他、メールを分類する時は「ラベル」という機能も重宝しますので試してみて下さい。先の英文を直訳したとおぼしき引用文は、ちょっとわかりにくい日本語ですが、意味合いはこういうことなのです。

「Gmail ではポップアップ広告や関連性の低いバナー広告ではなく、関連性の高いテキスト広告や関連ウェブページへのリンクがメッセージの横に表示されます」

 最初の2つの特徴ほどではありませんが、Gメールはポップアップ広告バナー広告を表示せず、ほとんどの迷惑メールがフィルターでシャットアウトされる機能も備えており、使い心地の上でこうした機能の貢献度は馬鹿になりません。伝家の宝刀「Google検索」機能と併せて、重要な情報をより簡単に見つけ出すことができます。あと、関連した機能としては、Gメールの添付ファイルを自動的にスキャンし、検出したウィルスを排除するウィルス対策がとられている他、ほとんどのコンピュータ・ウィルスは実行ファイルに含まれるという理由から、今のところ実行ファイルの送受信をいっさい行っていません。

「Gmail ではメール機能にインスタント メッセージの機能も統合されているので、オンライン時には友人とスムーズに連絡をとることができます。 Gmail は簡単にご利用でき、効率的に使える、Google が提唱する新しいタイプのメール サービスです」

 Gメールはメールとチャットの機能が統合されているので、オンラインの友人とはどちらの方法でも連絡を取ることができます。インターネットへアクセスさえすれば、同じウェブ・ブラウザ(閲覧ソフト)でメールもチャットも利用でき、メール・メッセージ同様チャットも履歴は保存して検索が可能ですから、大切な情報を失う心配はありません。なお、Gメールのユーザーがチャット機能を利用すると、「Googleトーク ネットワーク」へ参加することになります。この機能はコンピュータで無料通話ができる「Googleトーク クライアント」と完全に同期しており、そのページを開けばGoogleトーク クライアントのダウンロードは簡単です。

 以上の大まかな説明で、とりあえずGメールがどのようなものかご理解いただけましたでしょうか? ここまでの説明だけでも、Microsoftの「Hot Mail」や「Yahoo Mail」といった他のオンライン・サービスとは次元の違う利用方法が思いつきませんか? つまり、すでに個人契約するプロバイダーや勤務先の会社から提供されたご自分のメール・アドレスを持っているかたも含め、Gメールはデータのバックアップとして大いに活用できます。

 突然パソコンが起動しなくなったような場合を考えると、バックアップの必要性は侮(あなど)れません。そこで、大事なメールもGメールへ保管しておけば一安心だし、ふつう1通あたりのメール容量が5MBぐらいなのに対してGメールは10MBまで送受信が可能です。本当に大事なファイルはメールへ添付して自分のGメール宛に送っておく手もあり、「グーグル Gメールローダー」を使うと、これまで受信したメールがGメールへまとめて転送できます。この「Gメールローダー」は英語ソフトですが、インストールしたソフトを起動して、転送したいメールデータ転送先に当たる自分のGメール・アドレスを入力するだけなので臆することはありません。

 ただ、このソフトで転送できるメールデータの形式は制限があり、たとえばアウトルック・エクスプレスのメールデータは対応していないため、まず「UNIX mbox」という形式へ変換しておく必要があります。変換する時は「アウトルックエクスプレス To OE5/6 マルチコンバーター」というソフトをご利用ください。アウトルック・エクスプレスのメールデータも、いったん形式を変換してしまうと「Gメールローダー」での転送が可能です。あとは、転送元のメールの容量が大きければ大きいほど時間はかかりますので、気長にやりましょう。

 その他、Gメールの様々な特徴をもっと詳しく知りたいかたは「Gmailについて」のページを参照していただくとして、もう1つ見逃せない機能があります。「Gmailについて」の「主な特徴」の項目では、ただ1行「アクセス: 自動転送とPOP3アクセス(無料)」としか書かれていませんが、自動転送POP3アクセスはアウトルック・エクスプレスその他一般のメール・ソフトが使用できることを意味しますから、この機能のあるなしで使い出はそうとう変わってくるのです。

 「Hot Mail」や「Yahoo Mail」のようにウェブ・ブラウザ(閲覧ソフト)からしかメールを扱えないオンライン・サービスと比較すると、それがよくわかると思います。インターネットへ接続されているパソコンさえあれば、世界中どこからでもメールをチェックできるオンライン・サービスは便利な反面、目的に合わせて複数のメール・アドレスを使い分けているようなユーザーが、それらのメール・アドレスと同次元では利用できず、どうしても代用品の範疇を超えません。その結果、仕事でオンライン・サービス(ウェブメール)を使うと取引先へ安っぽい印象を与えてしまうマイナス面がありました。

 一般のメール・ソフトでも扱えるGメールは、まず複数のメール・アドレスの1つとして他と同次元で利用できるのが大きな魅力です。たとえば、アウトルック・エクスプレスで会社のアドレス宛のメールを読み終わったら、閉じる前にGメールのアドレスへ転送しておくだけでバックアップは残り、それを確認できます。他のソフトで送受信したとしても、通常のGメール(ウェブ側)にしっかりとメールデータが残されているからです。つまり、自宅やオフィスではいつものメール・ソフトで、外出先ではウェブのGメールでと、使い分けられる便利さがGメールの良さといえます。

 そして、この機能と関連して送信メールの返信先を指定できるのは、Gメールが持つもう1つの大きな魅力です。ふだん使っているだけで2桁のメール・アドレスを持つ私の場合、どのアドレスから送ろうと返信メールは一箇所へ戻ってくるよう(返信アドレスを)指定しています。一般のメール・ソフトで使える以上、Gソフトにもこれと同じ機能が備わっており、外出先から送信するGメールへふだん仕事で使っているのと同じ差出人アドレスを指定できるわけです。

 特定のメールのみ携帯に転送したり、怪しいサイトへ登録する時は新たなGメール・アドレスを追加して行い、大量の迷惑メールが返ってきたらそのアドレスを削除するフィルター的な使い方など、アイデア次第でGメールはまだまだ活用できます。その「ログイン・ページ」が冒頭の画像で、アカウントを持つユーザーのログイン以外、「Gmailアカウント登録」や先の「Gmailについて」などの関連ページへもここからリンクしています。Gメールに興味をお持ちなら、スタートはまずこのページでしょうね!


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねます。また、読者からのご質問、ご相談へは、当「ハリウッド最前線・サイバークラブ」の会員の皆様を除いてお応えいたしかねますので、それらの点をご了承ください。

横井康和        


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