肉を食べるなら・・・・・・ユーロ・スタイル篇


 この「イート・イン・スタイル(レストラン・ガイド)」を連載し始めた第1弾は「肉を食べるなら・・・」と題し、アメリカの肉料理専門店を3軒ご紹介しました。また、ステーキといえばアメリカの代表選手のようですが、アルゼンチも侮れません。そんなわけで、「アルゼンチンよ、泣かないで・・・・・・食べよう」でご紹介したロサンゼルスのアルゼンチン・レストラン3軒のうちの2軒もステーキ専門店でした。

 今回は少し趣向を変えて、ロサンゼルスのユーロ・スタイル特集です。ユーロといっても3ケ国のレストランを1軒ずつ取り上げているので非常に偏った選択となりますが、他のお店も追々ご紹介していきたいと思っています(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Chi Spacca
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■Chi Spacca

chispacca.com
6610 Melrose Ave., Los Angeles
323-297-1133

 今回、取り上げた最初の肉料理専門店はイタリアン・スタイルで、メルローズ通りとハイランド通りの角の「Chi Spacca」、イタリア語で「大包丁」を意味します。東隣の「Osteria Mozza」およびその南隣の「Pizzerria Mozza」の系列店であり、3軒の中でここが一番新しくオープンしました(正確にいうと3号店は西隣の「Mozza2Go」で、その一部へオープンしましたが、こちらは「Pizzerria Mozza」のテイクアウト専門店)。

 1号店である「Pizzerria Mozza」が名前のとおりピッツァ専門店、2号店の「Osteria Mozza」がイタリアン・レストランに対し、このマンハッタン海岸出身のシャッド・コルビーがシェフを務める「Chi Spacca」はすべて自家製のサラミや他の肉料理をフィーチャーしています。ここがまだ「Mozza2Go」であった頃、ピッツァの出前と同時に「Mozzaグループ」の様々な料理の実験室となっていた頃、コルビーもまた彼独自の肉料理をいろいろと試していました。彼はサラミ専用の乾燥室まで作り、それが「Chi Spacca」の誕生へ至るのです。

 最初はリガー・ライセンス上の規定から、わずか2席で1晩30食までの営業に限定されていましたが、カウンターの立ち席まで含まれていませんでした。また、その頃は土曜日だけ予約制の「ノーズ・トゥー・テイル(つまり動物丸ごと)」という特別ディナーを提供したりもしているのです。間もなくカウンター席が設けられてテーブルの数も増え、現在の形へと発展すると同時、「ノーズ・トゥー・テイル」はなくなり、その内容が普通のメニューに引き継がれています。

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#1
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#2
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#3
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#4
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#5

 写真は左から「アッフェッタティ・ミスティ(ホームメイドのサラミその他)(#1)」、「ポークのセグレイト(#2)」、「レイザー・クラム(#3)」、「ビーフ&ボーンマロー・パイ(#4)」、「ショート・リブ(#5)」。ここへ来たら、やはりアッフェッタティ・ミスティを食べないと!

L'Assiette
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■L'Assiette

lassiettesteakfrites.com
7166 Melrose Ave., Los Angeles
323-274-2319

 続いてはフレンチ・スタイルの肉料理専門店で「L'Assiette」、フランス語で「皿」を意味し、パリ出身のジャック・フィオレンティーノが今年(2014年)の3月オープンしたばかりのフレンチ・レストランです。もっとも、レストランとはいえごく限られたメニューにこの店の姿勢が窺(うかが)えます。パリの有名な「Le Relais de l'Entrecote」をモデルに、メインはステーキ・フリートス(フランス語のステーキ&フライズ)のコースで、スープかサラダを選ぶシステムです。

 若くしてパリからフロリダへ渡ったフィオレンティーノは、クリアウォーター海岸のレストラン「La Grenouille」でマネージャーとしてこの業界の仕事を始め、1975年に「Sand Key Club」へ移り総支配人を務めます。その後、ロサンゼルスに引っ越して「Spectrum Foods」で仕事をするフィオレンティーノですが、しばらくして脚本家およびプロデューサーとして映画業界へ転身します。その間もレストラン業界に未練があった彼は、「Bistro Mignon de Paris」のコンセプトを立ち上げたりしながら、この「L'Assiette」で本格的な復帰を果たすのでした。

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#6
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#7
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#8
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#9
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#10

 写真は左から「チーズ・プレート(#6)」、「パンに付いてくるオリーブ油とペストのコンビネーション(#7)」、「スープ(#8)」、「サラダ(#9)」、「ステーキ・フリートス/ステーキ&フライズ(#10)」。なお、ステーキ・フリートスは冷めないよう半分ずつ2回に分けて出てきます。

Wirtshaus
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■Wirtshaus

wirtshausla.com
345 N. La Brea Ave., Los Angeles
323-931-9291

 最後はジャーマン・スタイルの肉料理専門店「Wirtshaus」です。ドイツ料理といえば、日本でも古くからアサヒやキリンのビアホールなどがその普及へ貢献しており、馴染みのある方は多いと思います。まず各種ソーセージとビールのイメージが浮かぶドイツ料理、この「Wirtshaus」も35種類以上のドイツ・ビールを取り揃えている他、ドイツとオーストリア・ワインのセレクションも豊富です。

 料理は各種ソーセージばかりでなく、もちろんシュニッツェル(ドイツ、オーストリアの肉料理、イスラエルでも盛んに食べられている子牛のカツレツ。いわばイタリアのヴィール・ミラネーズのドイツ版。ただし、ヴィール・ミラネーズと違ってポークやチキンも使う)やカリーヴルスト(カレー・ソーセージ。代表的なドイツ料理の1つで、発祥の地であるベルリンやルール地方、ハンブルクで人気のソーセージ料理)から、ポテト・パンケーキやブレッツェルまで一通りカバーしています。また、パブでありながら子供用およびベジタリアンのメニューも用意しており、幅広い客層を狙っているようです。卓球台まであります。

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#15

 写真は左から「ブレッツェル(#11)」、「ソーセージ・プラッター(#12)」、「チキン・シュニッツェル、スパッツル、ポテト・サラダ(#13)」、「鴨のベーコン・ソーセージ、スパッツル、芽キャベツ(#14)」、「ヴィーシャウス・シュニッツェル、ダンプリング、フライズ(#15)」。ソーセージ・プラッターは軽く2〜3人分あるので注意して下さい。

 こうなると、次に「肉を食べるならシリーズ」の第3弾を取り上げるとしたら、やはり焼肉でしょうか?

横 井 康 和      


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