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(1998年4月1日)          




新企画情報

お馴染みの「新企画情報」コーナー、わずか1ケ月半振りの登場ですが、今回はクランクイン間近か撮影が始まったばかりの企画へスポットを当ててみました。


“ティーチング・ミセス・ティングル”

“スクリーム1&2”でホラー映画の独自のスタイルを生み出した脚本家ケビン・ウィリアムソン(写真)が、初めて監督する話題作。ストーリーは3人の高校生が彼らを退学させようとした教師を誘拐するダーク・コメディー、ヤングに圧倒的人気を誇るケビンは、どのような“監督技”を見せてくれるのでしょう!? (5月26日クランクイン)

“モーリー”

スリラー“パルメット”で新境地を開いたエリザベス・シュー主演作。画期的な最新技術による手術を受けた結果、IQ250の天才となり、発達し過ぎた脳細胞に身体がついていけない自閉症患者の女性の葛藤を描いたストーリーは、なんとなく名優クリフ・ロバートソンのオスカー受賞作“チャーリー”に似ている気もします。清純派エリザベスの真の演技力が問われる作品です。(3月20日クランクイン)

“アナライズ・ディス”

マフィアのボス(ロバート・デ・ニーロ)から精神分析を依頼される精神科医役を演じるビリー・クリスタル("ファーザーズ・デイ")自ら企画したコメディー。怖いギャングと「お調子者」の医者の織りなすユーモアが見ものです。 (4月7日クランクイン)

“インフェルノ”

コーエン兄弟の名作“ファーゴ”のアクション版とでもいえるような犯罪スリラー。ジャン・クロード・バン・ダム扮する捜査官が、砂漠の真ん中にある寂れた街で起こる誘拐事件に巻き込まれ、得意の空手を駆使して悪と対決するストーリー。(ロサンゼルスとラスベガス間に横たわるモハビ砂漠で4月初旬クランクイン)

“トゥルー・クライム”

クリント・イーストウッド(写真)監督主演による犯罪ドラマ。過去にもポール・ニューマン主演の優れた法廷ドラマ“評決(1982年)”を製作した経験のある名プロデューサー、リチャード・ザヌック("ジョーズ")と組み、落ちぶれた新聞記者が最後の執念を振り絞って昔の殺人事件を再調査し、死刑執行まで24時間と迫った無実の容疑者を救うという法廷スリラーです。(北カリフォルニアのオークランドで5月クランクイン)

“イントゥー・シン・エアー”

“ドライビング・ミス・デイジー"、"コクーン”などの名作を夫君のリチャードと製作してきたリリ・フィニ・ザヌックが監督する、シルベスター・スタローン主演の大型強盗サスペンス。最近ベストセラーとなっている、エベレスト登山隊の悲劇を描いた同名のノンフィクション小説との混同を避けるため、現在改題中です。(ニューヨークで5月クランクイン)

“クレージー・イン・アラバマ”

夫婦コンビのアントニオ・バンデラス("エビータ")が監督共演、メラニー・グリフィス("狼達の街")が主演する、ハリウッドが舞台のダーク・ドラマ。夫を殺害し、その頭部をタッパーウェアに入れてハリウッドにやって来た、映画スター志望の風変わりな女性と、暴動の最中、黒人を殺してしまった南部の保安官を中心に展開する複雑なストーリーです。(近日クランクイン)




流行りのテーマ・レストラン!

ハリウッドやフロリダ、そして現在建設中の大阪ユニバーサル・スタジオをはじめ、拡張準備が進んでいるフロリダのディズニー・ワールドや、オーストラリアにあるワーナーブラザーズ・テーマ・パークと、映画がテーマの娯楽施設は相変わらずの繁盛振りですが、ここアメリカのレストラン業界ではスポーツやミュージックといったエンターテイメントがテーマの店も流行っています。ゴールデン・ウィークに先駆け、アメリカへ来られる人たちのため、いま最もトレンディーなテーマ・レストランをご紹介しておきましょう。


−ロサンゼルス−

ダイブ (DIVE)

スティーブン・スピルバーグ監督がオーナーでもある“潜水艦”をテーマにしたダイナー感覚のレストラン。当然ながら目玉はサブマリン・サンドイッチで、センチュリー・シティーのビル街の中心部にあります。奇抜なデザインの店構えが目印で、ラスベガス店もあり。
− 10250 Santa Monica Blvd., Century City, TEL:(310)788-3483

ビルボード・ライブ (BILLBOARD LIVE)

サンセット大通り(ストリップ)に面した、著名な音楽誌(マガジン)の名を冠した“ミュージック”がテーマのクラブ・レストラン。ライブ演奏の合間には、中2階のレストランで有名なシェフ、ジョン・セドラー自慢の料理が食べられる活気ある店です。
− 9039 Sunset Blvd., West Hollywood, (310)786-1712

プラネット・ハリウッド (PLANET HOLLYWOOD)

全世界に80店舗を経営する究極の“映画”テーマ・レストラン(写真左)、オーナーであるアーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリス、シルベスター・スタローンが食事をしているシーンは期待しないほうが無難でしょう。フランチャイズはビバリーヒルズとオレンジ群の2店舗、ヒット映画で使われた小道具のディスプレイを見るだけでも価値があります。
− Beverly Hills:9560 Wilshire Blvd., Beverly Hills, (310)275-7828
− Orange County:1641 W. Sunflower Ave., Santa Ana, (714)434-7827



ハウス・オブ・ブルース (HOUSE OF BLUES)

古びた倉庫を思わせる店構えの“ブルース”テーマ・レストラン・クラブ。ブルース発祥の地である南部料理と大物アーティストたちによる毎晩のコンサート、そして週末のゴスペル・ブランチなどが人気の的です。“ブルース・ブラザーズ”のダン・アクロイド(写真右)は共同経営者の1人で、ボストンのケンブリッジ、ニューオーリンズ、シカゴ、南キャロライナ州マートル・ビーチ、フロリダ州オーランドへも店を出しています。
− 8430 Sunset Blvd., West Hollywood, (310)848-5100

カントリー・スター・アメリカン・ミュージック・グリル
  (COUNTRY STAR AMERICAN MUSIC GRILL)


ユニバーサル・スタジオ内“ユニバーサル・シティー・ウォーク”というレストラン街にある“カントリー・ミュージック”がテーマのレストラン。昔ながらのアメリカン・フードとライン・ダンスのライブ・ショーや、所狭しと置いてあるTVスクリーンでは懐かしのカントリー・ビデオが映し出されて情緒があります。アトランタ店は閉鎖されましたが、ラスベガス店は健在です。
− 1000 Universal Center Drive, Universal City, (818)762-3939

カートゥーン・ビル (CARTOONVILLE)

サンタモニカ近くのウィルシャー大通りにある子供向け“アニメ”テーマ・レストラン、遊園地感覚の店作りや客と交わるライブ・アニメ・キャラクターが売り物です。
− 12121 Wilshire Blvd., West Los Angeles, (310)207-6070

ハードロック・カフェ (HARD ROCK CAFE)

“ロックンロール”がテーマのこの店は、1971年にロンドン店をオープンして以来、今や東京をはじめとする世界10カ国85店舗にまで広がっています。宙吊りの'55年型キャデラックやプレスリーのハーレイなどがディスプレイしてある派手な内装は、依然として観光客の人気の的です。高級ショッピング・モール、ビバリーセンター店以外にも、ユニバーサル・シティー・ウォーク店、ファッショナブルな街ニューポート・ビーチ店があり。
− Beverly Center: 8600 Beverly Blvd., Los Angeles, (310)276-7605
− Universal Studio: 1000 Universal Center Drive, Universal City,
  (818)622-7625
− Newport Beach: Newport Center Drive, Newport Beach, (714)640-8844

レインフォーレスト・カフェ (RAINFOREST CAFE)

鬱蒼と生い茂る木々や滝と噴水の中では鳥が飛び魚が泳ぐ、300席の広々とした“熱帯雨林”レストラン。エンターテイメント業界では環境保存思考が広まっていることを思えば、ここも立派なテーマ・レストランです。ロンドン、メキシコ・シティーをはじめとして、フロリダのディズニーワールド、ラスベガスのMGMグランド・ホテルなど全米14店舗の他、近い将来シンガポールと香港へも進出予定。 − 3333 Bristol St., Costa Mesa, (714)424-9200

スピードウェイ・インターナショナル・レーシング・ビストロ&バー
  (SPEEDWAY INTERNATIAONAL RACING BISTRO & BAR)


今アメリカで人気絶頂のモーター・スポーツが中心の“レーシング”テーマ・レストラン。店内はインディー500やF-1などのマシーンとそのカルチャーが醸し出され、レーシング・ファンにはたまらない雰囲気です。ニューポート・ビーチで去年オープンしたばかりですが、早くもラスベガス、ニューヨーク、シカゴ、マイアミへの進出決定。
− 353 E.Coast Highway, Newport Beach, (714)675-5900

マーベル・マニア (MARVEL MANIA)

“スパイダーマン"、"超人ハルク"、"Xマン”といったアニメ・キャラクターで有名なマーベル・コミックスの“コミック”テーマ・レストラン。ユニバーサル・スタジオのレストラン激戦区シティー・ウォークの新参者ながら、名門ベルエイジ・ホテルの元シェフを招きメニューへ力を入れるなど、ひと味違ったテーマ・レストランを目指しています。

−ニューヨーク−

ファッション・カフェ (FASHION CAFE)

共同経営者にはクローディア・シファー、ナオミ・キャンベル、エルといったエリート・モデルが参加する“スーパーモデル”テーマ・レストラン。ダイエット・メニューも多く、ハイセンスなインテリアはなかなかの雰囲気です。まさにニューヨークを感じさせる店。
− 51 Rockefeller Plaza, New York City, (212)765-3131

ハーレイ・ダビッドソン・カフェ (HARLEY-DAVIDSON CAFE)

アメリカン文化の象徴ともいえるハーレイ・ダビッドソン・バイクとその背景がモチーフの“ハーレイ”テーマ・レストラン。厳(いか)ついヘルス・エンジェルス・タイプのみならず、映画スターから金持ち層まで、人気のモーターサイクル、ハーレー独特のムードが楽しめるこの店は、ラスベガスにも支店を出しています。
− 1370 6th. Ave., New York City, (212)245-6000

オールスター・カフェ (OFFICIAL ALL STAR CAFE)


タイガー・ウッズ、ウェイン・グレッツキー(NHL)、アンドレ・アガシ(テニス)、モニカ・セレシュ(テニス)、シャッキール・オニール(NBA)、ケン・グリフィー・ジュニア(メジャー・リーグ)、ジョー・モンタナ(NFL)などスポーツ界のスーパースターがオーナーとして加わり、現在精力的な全米フランチャイズを繰り広げるアリーナ・サイズの「スポーツ」テーマ・レストランです(写真)。プラネット・ハリウッドの仕掛け人ロバート・アールのプロデュースというだけ、オープニングには必ず数人のスターを出席させて話題を集める人気のトレンディー・スポット。タイムズ・スクエア店の他、メキシコの高級リゾート地カンクーン、カジノの街ニュージャージー州アトランティック・シティー、フロリダ州オーランドへも進出しており、2000年までには世界中で40店舗を構える作戦とか!
− 1540 Broadway, New York City, (212)840-8326

'90年代エンターテイメント文化の産物ともいえるこれらのテーマ・レストラン、今後も新しい趣向(アングル)のスポットが続々と出現しそうな気配です。そのいい例は、ハードロック・カフェの親会社HRIと人気絶頂のNBA(全米バスケットボール協会)が最近交わした9,000万ドルの事業提携で、3年以内に“NBA”テーマ・レストラン10店舗を開店する予定。第1号店は来年(1999年)フロリダ州オーランドのユニバーサル・スタジオでオープンし、ポスト・マイケル・ジョーダン(今シーズン限りで引退)のNBAを盛り立てます。その他、今年9月にニューヨークでオープンする予定の“手品”がテーマのレストランも、国際的マジシャン、デビッド・カッパーフィールドのマジック・アンダーグラウンドへ話題集中。





喫煙天国ハリウッド

レストランのみならず、ついにバーやホテル・ロビーでも禁煙令が出たロサンゼルス。しかしながら、その代表的産業である映画業界は、世間の風潮と裏腹に“喫煙パラダイス”が横行している現状といえそうです。メガ・ヒット作“タイタニック”ではディキャプリオ(2枚目の写真)扮する画家の卵がスパスパ、“ID4”ではウィル・スミスが勝利の葉巻を吸い、“ベストフレンズ・ウェディング”ではジュリア・ロバーツのチェイン・スモーキングと、喫煙シーンが目立ちます。今のハリウッド映画は、なんと平均3分間に1回('70年代は15分に1回)の割合で喫煙シーンが登場しているそうですから驚きですね! フィルム・ノワール全盛期の'50〜'60年代でさえ、(男女含めた)主役の36パーセントしか吸わなかったのが、'90年代は57パーセントへ跳ね上がり、さらに主役の男性キャラクターの80パーセントが喫煙シーンを演じているという結果さえ報告されるに至り、これも現在のストレス社会を反映しているのではと皮肉っぽく噂されるほどです。キャメル・ブランドなどに代表されるティーンエイジャーへの喫煙奨励キャンペーン問題を重視するヒラリー大統領夫人など、TVのトーク・ショーや雑誌記事でハリウッドの姿勢に疑問を投げかけているのはさておき、煙草という“小道具”で登場人物の心理描写や性格を印象深く描いた映画のシーンを思い起こせば・・・・・・



“恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ”のミッシェル・
  ファイファー、往年の名作“脱出”のローレン・バコール


“女らしさを強調”したセクシーな吸いっぷり。

“シャイン”のジェフリー・ラッシュ、“リアリティ・バイツ”の
  ウィノーナ・ライダー、その他ジェネレーションXたち


“混乱した精神状態の延長”ともいえる神経質なチェイン・スモーカーぶり。

“氷の微笑”でのシャロン・ストーン

男心を持て遊ぶクールな燻(くゆ)らせぶりと、ミニ・スカートから覗(のぞ)く下着なしの脚線美で観客の男たちを悩殺(写真左)。以来、愛煙家と化した感のある彼女は“カジノ”でも吸っていました。

“スタンドバイミー”での悪ガキ役コーリー・フェルドマン

彼の台詞「食後の一服はたまんね〜!」が、“大人への旅立ち”を示唆。

“ゴッドファーザー”でのアル・パチーノ

病院で用心棒役を演じ、恐怖で震える肉屋の若者の煙草に火をつけてやるシーンは、マフィアの若きドンとしての“冷静さと思いやり”が伝わる名シーン。

いま上映中の“トワイライト”でのスーザン・サランドン

ミステリー映画の“色っぽい年増女”のイメージは、やはりタバコの煙から(3枚目の写真)?

ちなみに、一番右側の写真はドリュー・バリモアですが、彼女の場合、“E・T(1982年)”や“炎の少女チャーリー(1984年)”などの子役時代とは煙草や入墨でイメージ・チェンジを計った反動なのか、最近の“スクリーム”や“ウェディング・シンガー”あたりを見ると、むしろストレートな印象を受けます。ともあれ、煙草の弊害が騒がれる一方では、若きジェームス・ディーンに始まった喫煙の“クール”なイメージが、まだまだハリウッドでは根強く残っているようですね!?


【 追 記 】

先週行われた2つの授賞式の結果をお知らせします。

アカデミー受賞式

下馬評どおり“タイタニック”旋風(史上タイの11部門で受賞)が吹き荒れた今年(1997年度)の第70回アカデミー賞でしたが、“オスカー・レース先行馬”でご紹介した杉原駐リトアニア大使のユダヤ人救出の勇気を描いた“ビザ・アンド・バーチュー”が、見事短編映画部門オスカーを受賞しました。その他、主だった賞に関しては“アカデミー賞データ”のページを参照して下さい。

ゴールデン・ラズベリー受賞式

前回のこのコラムでお知らせしたゴールデン・ラズベリー賞/ラジー(最低映画賞)が先月(3月)の22日に発表され、予想どおり“ポストマン”が最低作品賞、ケビン・コスナーが最低監督、最低主演男優賞、そして“G・Iジェーン”のデミー・ムーアが最低主演女優賞に輝き(?)ました。



(1998年4月1日)

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