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(2016年11月)          




ロビーの声優

マーゴット・ロビー(写真)といえば、「スーサイド・スクワッド」のヒットが記憶に新しいところです。続いてはタイトル未定の新作が撮影に入っている他、ビアトリクス・ポター著作の児童小説を映画化した「ピーターラビット」への声優出演も交渉が進んでいます。これまで同作品の出演陣として決まっているのはジェームズ・コーデン、ローズ・バーン、デイジー・リドリー、ドーナル・グリーソン、エリザベス・デビッキらで、オリジナル作品が出版された1902年の舞台を現在的に解釈した物語の内容は、自身の庭からウサギを追い出したいマクレガー(グリーソン)とピーター(コーデンが声優)率いるウサギたちの争いです。マーゴットの役どころは謎に包まれたままですが、関係者の話だとウサギのキャラクターの1人ではないかといいます。「レゴバットマン ザ・ムービー」などへも携わっている「アニマル・ロジック社」とともにプロデュースを務める監督のウィル・グラックが、現在ロブ・リーバーと最新の脚本を仕上げている一方、ダグ・ベルグラッドが同作品への共同出資と、自身の制作会社「2.0エンターテイメント」を通じてエグゼクティブ・プロデューサーを務めるようです。アニマル・ロジック社の重役ザラ・ナルバンディアンは同作品について、「ビアトリクス・ポターの本の中で沢山の素敵なキャラクターたちが登場します。だから、その表面をかいつまむような形にはなりますが、それが私たちのできることなんですよ。大作なので製作期間は2年以上かかりそうですね」とコメントしています。期待高まる同作品は1943年に77歳で亡くなった作家でありイラストレーターであったポター生誕150周年を記念して、2018年4月全米公開の予定です。



マーレイの受賞

ビル・マーレイ(写真)66歳がコメディ界の最高栄誉マーク・トウェイン賞を受賞しました。先月(10月)23日、ワシントンD・Cのケネディ・センターで開催された授賞式でこの名誉を受け取ったマーレイは、「人が自分へ良いことを言ってくると、疑いの目を向けてしまって苦労するんだ。僕の今日のテーマは、愛されているってことがどういうものかってことさ。自分へ良くしてくれるすべての人の話を聞くのは本当に大変だよ。疑いの目を向けてしまうからね」と冗談交じりで語っていました。また、「そこには愛があり、それは私たちと一緒についてくるものであり、一緒に進むものだ。愛している。それをお互いに言い続ける努力をしよう。愛が見えなくなったら、それは私が下へ降りる時さ。それを恐れるのと同じ分だけ、このアイデアへまた帰っていかなければならない。そこには愛がある。そこには愛がある」と続けています。2時間に渡って行われた授賞式で、「ゴーストバスターズ(1984年)」やその続編、「恋はデジャブ(1993年)」、「天才マックスの世界(1998年)」、「ロスト・イン・トランスレーション(2003年)」などで知られるマーレイの功績は、数々の関係者から讃えられました。「ゴーストバスターズ」の監督アイヴァン・ライトマンがマーレイの演技の才能を、「ビル(・マーレイ)の場合、リハーサルは意味をなさないです。ビルは毎回のテイクで新しく素晴らしい何かを生み出します。だから監督は彼から目を離せないのですよ」と称賛しています。さらに、マーク・トウェイン賞の受賞歴があり、マーレイと共演したこともあるスティーヴ・マーティンは、「この(マークト・ウェイン賞の)クラブへようこそ、と君に言いたい」とマーレイの受賞を歓迎し、コメディアンで人気司会者のデイヴィッド・レターマンも祝辞を贈りました。



ファニングの新作

最近は鳴りを潜めている姉のダコタ・ファニングに替わって活躍しているエル・ファニング(写真)、第54回ニューヨーク映画祭で新作「トゥウェンティース・センチュリー・ウーメン(20世紀の女たち)」が上映され、リンカーン・センターにあるウォルターリード劇場開催の記者会見ではマイク・ミルズ、アネット・ベニング、ビリー・クラダップ、ルーカス・ジェイド・ズーマンらとインタビューへ応じました。「人生はビギナーズ(2010年)」のミルズがメガホンを取った本作は、1979年のカリフォルニア州サンタバーバラを舞台に、50代半ばのシングル・マザー、ドロシア(ベニング)が息子ジェイミー(ジェイド・ズーマン)を育てるため、写真家志望のアビー(グレタ・ガーウィグ)、学校の美少女ジュリー(ファニング)、大工のウィリアム(クラダップ)らとの同居を決意し、ジェイミーは様々な体験を経て成長してゆく姿を描いています。ミルズ曰(いわ)く、「1925年生まれの僕の母がドロシアのモデルとなっている。1966年生まれの僕と母はかなりの世代ギャップがあったため、当時の母は僕には謎だった。当時、母とよく1930年代〜40年代の映画を鑑賞した。特に1937年の『ステージ・ドア』では、映画へ登場する破壊的だが面白い女性たちを鑑賞する母の反応を見て、様々なことを自分なりに理解しようとしたんだ」そうです。そんな彼の演出をファニングは、「マイクが推薦した『愛と心理療法』は愛のセラピーのような本で、彼にこの本から自分自身と私の役柄であるジュリーが興味を持つことをそれぞれ探し出すよう言われたわ」と語っています。一方、パンク文化の辞書を渡されたジェイド・ズーマンは、「その辞書や当時のドキュメンタリーを鑑賞して、当時のティーンエイジャーの感情や、なぜ人々がパンクにハマるか理解できた」と明かしました。



まだまだ続く「猿の惑星」

2017年全米公開予定の「猿の惑星シリーズ」の新作「ウォー・フォー・ザ・プラネット・オブ・ジ・エイプス」について、監督のマット・リーヴス(写真右)、主演のアンディ・サーキス、製作のディラン・クラーク(写真左)がマディソン・スクエア・ガーデンで開催された「ニューヨーク・コミコン」でインタビューへ応じました。まず、今作では前作「猿の惑星:新世紀(2014年)」より高い水準の作品を目指したというクラークが、「前作は撮影前の準備期間がなく、脚本も非常に速く執筆し、ほぼ初稿のまま撮影した。撮影現場でも、マットは限られた時間でショットの構成をしている。だから僕らは、今作で前作と同じようなことをしたくなかった。幸い前作が興行的に成功し、マットは素晴らしい監督であるため、プロデューサーである僕がマットへできる限りの時間を与え、できる限り野心的な作品を製作させられた」と、語っています。今作は主役のシーザーのミステリアスな旅路をいかに壮大に描いていくかというところから企画が始まったらしく、心の中で葛藤を抱えるシーザーと猿たちが森林を離れ、新たな土地を訪れるという設定から雪の積もった場所での撮影となったそうです。その結果、ロケはモーション・キャプチャーの撮影が困難な雪上で行われました。シーザー役を演じるサーキス自身、「今作は精神的に消耗した作品だ。モーション・キャプチャーを使って演技し続けることは、これまでの僕の出演映画の中で最も大変だった。というのも、このシーザーというキャラクターの進む道がとても感情的にダークであり、(映画内で起こることを)キャラクターを通して体現している僕へは、たいへん骨の折れる仕事だったんだ。もちろん、撮影現場で楽しむこともあったが、それぞれのシーンは過酷なものだったよ」と振り返っています。



売れっ子ローレンス

ジェニファー・ローレンス(写真)が、狂騒の1920年代とジャズ・エイジを象徴する米作家F・スコット・フィッツジェラルドの妻ゼルダ・セイヤーの伝記映画「ゼルダ」へ主演すると発表されました。本作は「インフェルノ(2016年)」のロン・ハワードが自らの監督作として企画中です。レオナルド・ディカプリオ主演作「華麗なるギャツビー(2013年)」の原作「グレート・ギャツビー」で名声を獲得したフィッツジェラルドとセイヤー夫妻は、世間的には華やかな時代の寵児としてもてはやされていましたが、その結婚生活は幸せなものと程遠かったようです。夫婦とも破滅的な生活を送り、フィッツジェラルドが1940年に心臓発作のため44歳で死去、セイヤーは統合失調症と診断され、最後は入院していた精神病院の火事で1948年に47歳で他界しました。本作では、彼女自身も作家、表現者として、また元祖「フラッパー」として、有名作家のミューズや妻で終わらない自己を確立しようと戦い、やがて狂気の淵へ沈んだセイヤーの姿を描き、ローレンス自らプロデュースも手がけます。ナンシー・マイルフォート著作の伝記「ゼルダ−愛と狂気の生涯」を基に英ドラマ「白薔薇の女王」のエマ・フロストが脚本を書く本作は、良人へのミューズでありライバルでもあったセイヤーと良人の関係がメインのストーリーとなるようです。プロデューサーはブライアン・オリバーとジャスティン・シアロッチに加え、ローレンスを「ハンガー・ゲーム・シリーズ」へ起用した元ライオンズゲイトの重役で実写版「シンデレラ(2015年)」やスター・ウォーズのスピンオフ「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のプロデューサーでもあるアリソン・シェアマーが参加しています。なお、ローレンスの最新作はクリス・プラットと共演したSF大作「パッセンジャーズ」が来月(12月)21日全米公開の予定です。



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