そば粉でクレープ・・・・・・京都篇


 最近はクレープの店でも、そば粉を使ったガレットを売り物にするところが、日本でかなり増えています。いっぽう、ロサンゼルスでは前回ご紹介したとおり昔からそれらを出す店があるものの、ただ「そば粉のクレープ(buckwheat flour crepes)」という感じで、ガレットという言い方はあまり聞きません。呼称がどうあれ、そば粉となれば日本の得意の分野です。そこで、今回は京都でガレットが売り物の店を3軒ご紹介しましょう(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Creperie Oruhakoshito Cafe
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■Creperie Oruhakoshito Cafe

www.oruhakoshito.com
京都市中京区蛸薬師通富小路東入ル油屋町146 ラポルトビル3F
050-5596-0247

 この店のコンセプトは、フランスの北西部ブルターニュ地方発祥のそば粉のクレープ「ガレット」と、リンゴの発泡酒「シードル」が2大柱となっています。そもそも日本ではクレープがデザートとして受け入れられた経緯があり、そば粉のクレープをわざわざガレットと呼ぶのも、そんなクレープとは違う「食事」であることを伝えようという意図があるのでしょう

 そば粉のクレープともう一つのシードルは、やはりブルターニュ地方発祥のリンゴのお酒です。英語でいえば「アップル・サイダー」と、リンゴを原料に作る無濾過・無加糖・ノンアルコール飲料を意味しますが、フランスの場合、シードル(アップル・サイダー)はしっかりとしたアルコール飲料で、様々な種類があります。そういった意味でも、サイダーでなくシールドという発音に拘っているのではないでしょうか? ともあれ、ガレットやクレープなどとの相性が抜群なことは確かです。

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#5

 写真は左から「コーン・ポタージュ(#1)」、「ハム・タマゴ・チーズ・オニオン・ガレット(#2)」、「トマト・シャンピニオン・ガレット(#3)」、「クレープ(#4)」、「シールド(#5)」。

Christopher Robin
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■Christopher Robin

christopher-robin.owst.jp
京都市山科区御陵大津畑町13 メゾンドリビエール105
075-634-8925

 地元山科の契約農家から仕入れた無農薬、有機栽培の野菜を使ったヘルシーな料理が楽しめる山科のカフェダイニング「Christopher Robin」、自家製スイーツからパスタやガレットまで幅広いメニューを揃え、モーニング、ランチ、カフェ、ディナーと時間帯ごとで気軽に利用できます。中でも、メインが生パスタ4種、ガレット3種、ライス2種の中から選べるランチ・セットはリーゾナブルで人気があるようです。カフェ・タイムはタピオカ・ドリンクやスムージーなど60種類以上の飲み物が用意されています。

 昭和58年(1983年)9月生まれのオーナー・シェフの柴田憲次は、子供の頃に家族揃って外食へ行くのが一番の楽しみで、美味しい料理を食べた時の幸せな記憶が鮮明に残っており、いつの日か自分も誰かのよい思い出となるような店を持ちたいという思いを抱き料理人の道へ入りました。京都の居酒屋やレストランで6年間修業後、その経験を活かしてこの店のオープンに至っているのです。

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 写真は左から「前菜盛り合わせ(#6)」、「魚介のガレット(#7)」、「モッツァレラ・チーズとトマトのガレット(#8)」、「クレープ(#9)」、「デザート盛り合わせ(#10)」。

Breizh Cafe
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■Breizh Cafe

www.le-bretagne.com/j/creperies/post.html
京都市中京区三条通寺町東入ル石橋町14-1
050-5596-2084

 フランスはブルターニュ地方の食文化を日本へとの想いで、株式会社「ル・ブルターニュ」がその地方の伝統料理であるそば粉のクレープ「ガレット」を提供する「カフェ・クレープリーR」を経営しながら、シードルをはじめとするブルターニュの厳選された特産品を輸入販売しています。1966年ブルターニュ生まれの代表取締役社長ラーシェ・ベルトランは、フランス国立ディナール・ホテル学校を卒業後、フーディング名誉賞受賞や農事功労賞シュバリエ勲章を叙勲したスローフード協会会員です。

 地域に根ざした食文化の保存と発展 日本最大のソバ産地 幌加内をはじめとする各地の「ソバ祭り」でガレット実演を披露し、また百貨店・各種団体・学校等でソバ食やブルターニュ地方の啓蒙活動を行っています。また本店カンカルが牡蠣の名産地であることから、牡蠣養殖や水産高校への支援、支援ポストカードの店頭販売など東北被災地との交流活動を継続中。また国際NGO「プランジャパン」に賛同し、現地の子供たちと文通しながら途上国の地域プロジェクト支援を続けています。 日本では京都店以外、表参道店、新宿タカシマヤ店、銀座店、ラゾーナ川崎店、名古屋タワーズプラザ店、赤坂Bizタワー店、横浜赤レンガ倉庫店、そしてヨーロッパではパリ・モントルグイユ店、パリ・オデオン店、サンマロ店、カンカル店などをチェーン展開しています。

 食事に長時間をかけるフランスでは食文化が大切にされ、EU統合後も高い食料自給率が維持されています。農業が盛んなブルターニュでは有機農業転換率が高く、美味しい食べ物に恵まれた地域となっています。 一方、フランス全体で食文化が均一化し、消えていく地方料理もある現状。ブルターニュでも伝統料理であるガレットを家庭で食べる機会は以前より少なくなってきました。 食の安全や地産地消が問われる今の日本。次世代への食文化継承は確かなものでしょうか。

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 写真は左から「サラダ(#11)」、「イベリコのランチ・ガレット(#12)」、「ソーセージ入りのガレット(#13)」、「クレープ(#14)」、「シールド(#15)」。

 そばの産地というわけではありませんが、京都は古くからそばが美味しいことで知られています。1465年創業で日本最古のそばの名店「本家尾張屋」があったり、京都名物には「にしんそば」や「そばぼうろ」など、そば関連のものが目立ち、いつの時代もそばは身近な食べ物でした。そんな京都人へガレットが受け入れやすかったのか、今回ご紹介した3軒以外、京都にはガレットの店がまだまだあります。

 何軒か挙げておくと、「Soba Cafe さらざん」、以前「カジュアルにフレンチを・・・・・・京都篇」でご紹介した「ブラッスリー・カフェ・オンズ」の姉妹店「Cantine Au Disco」、「クレープリー 京都シャンデレール」、「Cafe 363」などもお薦めです。

横 井 康 和      


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