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(1998年12月1日)
おかえり、エンジェル諸君!
'70年代後半、3人の美女が活躍する探偵シリーズとしてヒットし、ファラ・フォーセット、ジャックリン・スミスなどの名を世界的に知らしめた“チャーリーズ・エンジェル”は、日本でも「エンジェル諸君、ご苦労さま!」の台詞でお馴染みのことでしょう。この“チャーリーズ・エンジェル”が、いまビッグ・スクリーン・デビューを企画中で、脚本はヒットメーカー、エド・ソロモン("MIB")が担当し、お色気路線のTVシリーズよりもヒップでスマートでスタイリッシュな犯罪アクション・ドラマとなりそうです。たんなる美女軍団でなく、数カ国語を操り、最新兵器や車などのメカに詳しく、腕っ節も強いスーパー・ギャル探偵たちのキャスティング候補へは、名だたるAリスト女優の中に元プレイボーイ・モデルでMTVの人気司会者ジェニー・マッカーシーの名も混じっています。20年のギャップを越えた新時代の“天使たち”の活躍が待ち遠しいですね!・・・・・・さて、かつての人気TVシリーズ映画化といえば、“ワイルド・ワイルド・ウェスト”は来年7月2日の封切りが決まりました。“ID4"、"MIB”に続き、主演のウィル・スミスはますます「独立記念日男」の感を深めそうです。そのウィル扮するジェームス・ウェストが銃を取り上げられ、窮地に追い込まれた時、“ミセス・ダウト”張りの女装で敵の目を欺くシーンは驚くこと請け合いだとか。鉄道が敷かれた西部開拓時代後期を舞台に、'60年代当時の人気俳優ロバート・コンラッド("サムライ・カウボーイ")主演の一風変わったこのTVシリーズは、そもそも007ブームの余波で生まれました。スパイものとウェスタンをミックスした“ワイルド・ワイルド・ウェスト”が、バリー・ソネンフィールド("MIB")の監督とブレント・マドック("トレマーズ")の脚本で蘇るのは、もうすぐです。
バッド・マナー
とかくマナーの悪さが噂されるハリウッド・スターたちの中でも、このところ目立つのは人気絶頂の若手スターです。クリスチャン・スレーター("フラッド")やロバート・ダウニー・ジュニア("追跡者")のようなドラッグのリハビリ・センター常連となる者、故リバー・フェニックスのような将来を約束されながら他界する者、そしてバカにしたような態度で記者や一般人と接する者など、見ていて淋しくなることも少なくありません。最近、友人のマーク・ウォルバーグ("ビッグ・ヒット")とニューヨークの高級レストランで深夜のパーティーに耽っていたレオナルド・ディカプリオは、男性客を閉め出し、女性客だけ引き留めたという噂があります。以前、モンドリアン・ホテルのスカイ・バーで目撃した彼のワイルドなパーティーぶりから、まんざら嘘ではなさそうです。よく彼のパーティーへ参加した友人が言うには、サンセット大通りの高級ホテル、モンドリアンのスイートで陣取ったレオが、ドアの覗き穴から部屋へ招き入れる女性の品定めをし、お目がねにかなわぬ女性を罵倒しては友人たちと大笑いをしたり、階下のスカイ・バーのバルコニーで寛ぐ客へ、ゴミ箱の中身を投げつけるところをガードから注意されたこともあるとか。ギャラが2千万ドルを突破し、エージェントに頼らない“ディカプリオ・ビジネス”の会社設立など、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのレオです。悪い意味でハリウッドに染まってほしくないと願うのは僕ばかりではないでしょう。こうした若手俳優の一方で、マナーの悪さが取り沙汰されるショーン・コネリー、以前はハリソン・フォード同様プロフェッショナルな役者として有名だったのが、マレーシアで最新作“エントラップメント”を撮影中、一悶着起こしています。首都クアラルンプールの通勤列車を数時間停めた撮影は現地の人間へ迷惑をかけたにも拘わらず、地元メディアのインタビューをすべて断った上、TVニュース・クルーのセット立ち入りを禁止したというのです。2年前、同じくクアラルンプールで“ポリス・ストーリー2”を撮ったジャッキー・チェンが、自分のスタントで交通を混乱させたことを現地のTVで再三詫びていたのと比べ、ショーンの態度は無神経に写ったのかもしれません。ともすれば傲慢さがステータス化されるハリウッドですが、「人間皆兄弟」の原則を忘れず、格好良く「スター」を気取ってほしいですね!
女性版「コップランド」
汚職まみれのニューヨーク市警と立ち向かう、落ちこぼれの肥満田舎シェリフ役をシルベスター・スタローンが熱演した“コップランド”は、俳優組合最低ギャラの低予算映画でありながら、共演のハービー・カイテルやロバート・デ・ニーロはじめ、多くのAクラス・スターが、こぞって出演を希望して話題を呼びました。彼らは脚本監督のジェームス・マンゴルドへ共感し、俳優としての創作意欲を掻き立てられたのがその大きな理由だったようです。それから2年、今度はマンゴルドの新作を巡って大物女優陣の出演フィーバーが熱を帯びています。新作とは、強度の鬱病で2年間精神病院暮らしをした女性スザンナ・ケイトンの回想録がベースとなった“ガール・インターラプティド”で、シリアスな内容の意欲作です。1993年、原作の出版と同時に映画化権を取ったプロデューサー、ダグラス・ウィック("クラフト")は、主演の条件で共同プロデューサーとなったウィノナ・ライダー("エイリアン4")と準備を始めました。しかし、シナリオがなかなか進まず、脚本家を3人変えても満足のゆくシナリオが上がらず、業を煮やしたウィノナは“コップランド”を撮影中のマンゴルドへアプローチするのです。結果、女性向けのメロドラマ風ストーリーを彼独特の生々しいスタイルで書き換えることでマンゴルドは脚本監督を合意します。彼の妻でプロデューサーのキャシー・コンラッド("スクリーム")と共同製作が決まったウィノナは自らケイソン役を演じ、現在その親友役のキャスティング中。そこへアンジェリーナ・ジョリー("ギア")、ケイティー・ホルムズ("ドーソンズ・クリーク")、グレッチェン・モー("ラウンダーズ")、リース・ウィザースプーン("プレザントビル")など将来を嘱望される若手スターたちが、先を争って押しかけているのです。アカデミー受賞作“カッコーの巣の下で”と名作“スタンド・バイ・ミー”をミックスしたような内容と予想されるマンゴルドの新作“ガール・インターラプティド”は、1999年秋の封切りを目指し、年明け早々クランクインします。
殺し文句
数多くの名場面といえば、その映像同様、印象的な台詞が浮かびます。それだけ台詞は映画の重要な要素でもあるわけです。このたび、かのギネスブックが「ギネスブック・オブ・フィルム」という本の出版を記念して、過去71年間に製作された7千本の映画から、もっとも有名な台詞を選び出しました。トップ10は・・・・・・
1位
"Bond, James Bond."
「ボンド、ジェームズ・ボンドだ」
ショーン・コネリー -“007は殺しの番号”(1962年)2位
"Of all the gin joints in all the town
in all the world, she walks into mine."
「世界中どこでも飲み屋があるってのに、
彼女はよりにもよって俺の所へ来やがった」
ハンフリー・ボガート -“カサブランカ”(1942年)3位
"It's not the men in your life that counts,
it's the life in your men."
「たいせつなのは、あんたに男がいるってことじゃなく、
そいつらの生き方よ」
メエ・ウェスト -“妾は天使じゃない”(1933年)4位
"I'll be back."
「また、来るぜ」
アーノルド・シュワルツェネッガー -“ターミネーター”(1984年)5位
"Would you be shocked if I changed
into something more comfortable?"
「もう少し楽な洋服と着替えたらショックかしら?」
ジーン・ハーロウ -“地獄の天使”(1930年)6位
"Life is like a box of chocolates.
You never know what you're gonna get."
「人生はチョコレートの詰め合わせのようなものだと思う。
次に中から何が出てくるのかわからないものね」
トム・ハンクス -“フォレスト・ガンプ/一期一会”(1994年)7位
"I could dance with you till the cow come home.
On second thought, I'd rather dance
with the cows untill you came home."
「牛が帰るまで君と踊り続けたいと思ったけど、よく考えたら
君が帰るまで牛と踊っているほうがいいや」
グルーチョ・マルクス -“我輩はカモである”(1933年)8位
"Frankly my dear, I don't give a damn."
「はっきり言って、俺にはどうでもいいことなんだよ」
クラーク・ゲーブル -“風と共に去りぬ”(1939年)9位
"You talkin' to me?"
「あんた、俺に話しかけてるのかい?」
ロバート・デ・ニーロ -“タクシー・ドライバー”(1976年)10位
"Gimme a visky with a ginger ale on the side ・・・
and don't be stinchy, beby."
「ヴィスキー(ウィスキー)にジンジャエールを混ぜてちょうらい
(ちょうだい)・・・ゲジゲジ(ケチケチ)しなさんなってば、ねえ」
グレタ・ガルボ -“アンナ・クリスティー”(1930年)
こうして見ると、あんがい旧作が多いのは意外です。また、これらのトップ10以外、頭に浮ぶ印象深い台詞といえば・・・・・・
"Go ahead, make my day."
「やってもらおうじゃないか」
クリント・イーストウッド -“ダーティハリー4”(1983年)"Play it again, Sam."
「いつものやつを弾いてくれ、サム」
ハンフリー・ボガート -“カサブランカ”(1942年)"There's no place like home."
「わが家に勝る場所はないわ」
ジュディー・ガーランド -“オズの魔法使い”(1939年)"Rosebud."
「薔薇の蕾」
オーソン・ウェルズ -“市民ケーン”(1941年)"I coulda been a contender."
「もっと出世できたはずなのに」
マーロン・ブランド -“波止場”(1954年)"Hasta la vista, baby."
「じゃあな、ベイビー」
アーノルド・シュワルツェネッガー -“ターミネーター2”(1991年)"Do you expect me to talk?"
「あんたは私が喋ることを期待しているのか?」
"No, Mr. Bond, I expect you die!"
「いいや、ボンド君、私が期待しているのは君が死ぬことだよ!」
ショーン・コネリーとガート・フローブ -“ゴールドフィンガー”(1964年)
(1998年12月1日)
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