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(1999年2月16日)          




新企画情報

2ケ月振りの「新企画情報」、今年の暮から来年にかけて公開が予定される話題作を超ワイド版でご紹介しましょう!


“レインボーズ・エンド”

1991年、伝説のグループ“ドアーズ”の舞台裏を映画化したオリバー・ストーンが、“オズの魔法使い”や“スター誕生”の大スター、ジュディー・ガーランドの悲運の最期を描いた小説に惚れこみ、自ら監督すべく映画化権を獲得した曰くつき。人生と虹の終わりを引っかけたタイトルが“オズの・・・”の主題歌“オーバー・ザ・レインボー”に因んでいることは言うまでもありません。

“シミアン・ライン”

初の主演作“フェアー・ゲーム”で大転けのスーパーモデル、シンディー・クロフォード(写真)が起死回生を狙う新作です。アクションは懲りたのか、あるハロウィーンの夜、仲直りする離婚寸前の夫婦が今回のテーマで、共演はオスカー俳優ウィリアム・ハート("ロスト・イン・スペース")。TV畑出身の女性監督リンダ・エレンが脚本も担当し、先日ニュージャージー州でクランクインしました。

“キング”

独立プロ「フィルムワークス」がラップ歌手で俳優のアイス・ティーと3本契約を交したうちの第2弾。主演にラップ界の大物アーチスト、スヌープ・ドッギー・ドッグやファット・ジョーを起用し、黒人ギャング世界の冷酷さをリアルなタッチで描き出しています。また、プロデュースばかりではなく、サウンドトラックもアイス・ティーが担当し、彼のレーベル「コロナー(検死官)レコード」から発売される予定です。現在編集中の第1弾“コラプト”は、やはりギャング抗争がテーマで、共演はラップ仲間の人気歌手シルク・ザ・ショッカーとミス・ジョーンズ。そして、第3弾“レッキング・クルー”も製作準備が始まっており、この政府に雇用された暗殺集団の物語へは、“コンゴ”のアーニー・ハドソン・ジュニアが共演します。さあ、黒人若者層に絶大な人気を誇るアイス・ティーが、この一連の企画でラップの支持票をスクリーンへ持ち込めるかどうか!?

“エニー・ギブン・サンデー”

以前、“グリッド・アイアン”から“リーグ”へ変わったとご紹介したオリバー・ストーン監督のフットボール映画が、結局このタイトルで落着きました。ただし、コーチ役のアル・パチーノはじめ、キャメロン・ディアズ("メリーに首ったけ")、デニス・クエイド("ペアレント・トラップ")といったキャスティングは変わっていません。その他、主役のクォーターバック役が高校時代じっさいクォーターバックを務めたコメディアンのジェイミー・フォックス、ランニング・バック役がラップ・スターのL・L・クール・Jによる配役の話題作です。劇中、試合相手は実在のチーム、ダラス・カウボーイズとニューヨーク・ジェッツも登場するため、NFLのスーパースター、ディオン・サンダース("カウボーイズ")やキーション・ジョンソン("ジェッツ")らの出演が噂され、フットボール・ファン必見の映画といえるでしょう。ワーナーブラザーズ製作で1月から撮影中。

“ロッキー&ブルウィンクル”

有名なTVアニメを、トニー賞受賞のブロードウェイ監督デス・マカナフが演出するユニバーサルの実写アニメ作、プロデュースはロバート・デ・ニーロが担当しています。主役のボリスは視聴率トップで引退した人気TVシリーズ“サインフェルド”のジェイソン・アレキサンダーと決まっている他、デ・ニーロも悪役フィアレス・リーダーを演じる可能性があるとか。大統領選に出馬したフィアレス・リーダーは、TVを通じて民衆を洗脳し、当選を目論みます。その陰謀から世界を救うべく、美貌のFBIエージェントが主人公のアニメ・キャラクターへ現場復帰を誘い・・・・・・

“007/ワールド・イズ・ノット・イナフ”

ボンド映画としては通算22作目、ブロッコリー親子のプロデュースだと19作目に当たる“ワールド・イズ・ノット・イナフ”が、11月の公開を目指して撮影もたけなわです。今回ボンド・ガールを演じるのは“ワイルド・シング”のセクシー女優デニース・リチャーズと“ブレイブハート”で注目された32歳のフランス人女優ソフィー・マルソー(写真)、中でもマルソーの場合、必死でアピールした大物シャロン・ストーンを退けての起用だけに話題性がありました。彼女の役柄はボンドが護衛を命じられる殺害されたオイル富豪の娘エレクトラ・キングで、引退間近のQを引き継ぐ今回初登場のキャラクターR役はジョン・クリース("ワンダとダイヤと優しい奴ら")が決定しています。なお、ボンド映画といえば、ブロッコリー親子とは別に、裁判沙汰が今なお続くソニーの新企画も遅ればせながら進行中。

“ルールズ・オブ・エンゲージメント”

在イエメンのアメリカ大使館から人質救出作戦を指揮した海兵隊大佐("交渉人”のサミュエル・L・ジャクソン)の発砲事件を巡る法廷闘争のドラマ。証拠隠滅を図る軍の陰謀と任務遂行のため罪に問われた軍人の愛国心と葛藤、勝訴の見込みはない大佐を弁護する海兵隊弁護士を名優トミー・リー・ジョーンズ("追跡者")が熱演します。リチャード・ザヌック("ディープ・インパクト")製作で来月(3月)クランクインのこの映画、イスラエルと南カロライナ州のロケおよび法廷シーンはL・Aでの撮影が決定しています。

“フード”

“ツイスター"、"スピード”などビジュアル・アクションで知られるヤン・デ・ボン監督が初めて挑戦するCGアニメ作です。クリスマスの食卓へ座った仲の悪い家族に食べられるという“食材”の視野から描いたコメディーで、そもそもの企画は“フリー・ウィリー2&3”の脚本家ジョン・マトソンが10年間暖めてきました。

“ポラック”

今年アメリカでは記念切手も発売される近代絵画の巨匠ジャクソン・ポラックの伝記映画で、主役を演じるのは“ライトスタッフ”や“グッドナイト・ムーン”から“アビス”や“トゥルーマン・ショー”の存在感溢れる演技が印象的な名脇役エド・ハリス。4月クランクインのこのインディー作品では、彼が監督も務めます。1956年、泥酔運転事故を起こし44歳の若さで他界した天才画家の悲劇は、一時ポラック夫妻をロバート・デ・ニーロとバーバラ・ストライサンドが演じる話もあり評判になりながら、結局は独立プロ作品としての映画化が決まったわけです。

“ワンダラー”

“ブロンクス物語/愛につつまれた街”の脚本を書いたチャズ・パルミンテリ(写真)は、“ブロードウェイと銃弾”や“狼たちの街”でマフィア俳優としても渋い演技を見せてくれました。その彼が'50年代のアイドル歌手ディオンの華やかなスター街道と、長年のドラッグ生活から足を洗う姿を描いたMGM製作のドラマで監督デビューを飾るのが“ワンダラー”です。主演のディオン役へはマーク・ウォルバーグ("ビッグヒット")が決定しており、懐かしの音楽に乗った“魂の勝利”の物語となるでしょう。

“ライト・イット・アップ”

最近、女優として開眼した感のある元ミス・ユニバース、バネッサ・ウィリアムス("ダンス・ウィズ・ミー")と人気絶頂の歌手アッシャーが共演します。このスーパー音楽プロデューサー、ベビーフェイスと彼の妻トレイシーの映画プロデュース第1作は、“ブラック・レイン”の脚本家クレイグ・ボロティンが脚本と監督を担当し、荒廃しきった母校復興へ情熱を燃やす高校生のティーン・ドラマです。

“アメリカン・パイ”

主演のリンダ・ハミルトン("ターミネーター1&2")といえば、“タイタニック”の出演女優スージー・エイミスのもとへ走ったジェームス・キャメロンと離婚したばかりですが、この映画では皮肉にも、他の女性を好きになった良人から捨てられる主婦を演じます。子供へ父親が帰宅しない理由を説明するシーンでは、現実がオーバーラップして思わず泣いた彼女も、気を振り絞ってコミカルな演技に徹したとか!

“スタンディング・ルーム・オンリー”

'70年代のヒット作“グリース”以来、久々でジョン・トラボルタが歌うミュージカル、監督は“グッドウィル・ハンティング/旅立ち”や“サイコ”の鬼才ガス・バン・サントです。また、トラボルタとケリー・プレストン("エージェント")夫婦の初共演作としても注目され、プレストンがマフィアと親交のある歌手ジミー・ロゼリの妻を演じます。ニューヨークで3月のクランクイン。

“ギフト”


スリラー“シンプル・プラン”で腕の冴えを見せたサム・ライミ(写真)監督といえば、間もなく公開されるケビン・コスナー主演の野球ドラマ“フォー・ザ・ラブ・オブ・ザ・ゲーム”もなかなかの前評判です。その勢いに乗ったライミが引き続き取り組むパラマウント製作の“ギフト”は、“スリング・ブレイド”でオスカー受賞のビリー・ボブ・ソーントンが脚本を書きいています。予知能力を持つアーカンソー州の女性が殺人事件捜査へ加わる物語は、ソーントン自身の母親がモデルという変わり種。“シンプル・プラン”で好評だったブレント・ブリスコを再び起用し、この春クランクインの予定です。

“キャスト・アウェイ”

昨年のアカデミー賞受賞女優ヘレン・ハント("恋愛小説家")と、今年オスカー史上初めて3度目の受賞が期待されるトム・ハンクス共演のロマンチック・コメディー。タイトルどおり4年間「離ればなれ」になってしまう恋人たちのドラマを、“フォレスト・ガンプ/一期一会”のロバート・ゼメキス監督はどう描きあげるでしょうね? そして、演技派2人の顔合わせも楽しみですね!

“ライク・ア・ロック”

“グッドウィル・ハンティング/旅立ち”で昨年のオスカー脚本賞を受賞したマット・デイモンとベン・アフレックが書き、やはりミラマックス製作の新作“ライク・ア・ロック”は、デイモンが主演、アフレックが脇役を演じるロマンチック・ドラマだとか。なお、“フォース・オブ・ネイチャー”を撮り終えたばかりのアフレックと、“タレンティド・ミスター・リップリー”を撮り終えたばかりのデイモンは、ここL・Aで一息つきながら、早くもキャッスル・ロック製作の共演作“ハーフ・ウェイ・ハウス”を書き始めています。精神障害者の施設が舞台となったこのドラマは、2人の他、多くのスターが出演するアンサンブル・キャスト企画の予定です。




スターウォーズ狂想曲

20世紀最後の大晦日は来年ですが、今年の12月31日は西暦2000年に向かう最後の大晦日ということで「年間もっとも賑(にぎ)やかな1日」となりそうです。その次が5月21日、映画ファン待望の“スターウォーズ・エピソード1、ファントム・メナス”は、この日いよいよ封切られます。昨年“タイタニック”の記録したアメリカ国内収益6億ドルと世界収益12億ドルが更新されるのは必至であり、今年の目玉作品の1つ“オースティン・パワーズ2”の予告編など、「今年たった1本しか映画を見ないなら“スターウォーズ”の続編、2本見るなら“オースティン・パワーズ”の続編を・・・・・・」と唱っているぐらいです。棒きれのレーザー刀(サーベル)で「チャンバラ」ごっこに興じ、ハン・ソロに憧れて育ったベン・アフレック("アルマゲドン")とマット・デイモン("ラウンダーズ")が、スターウォーズを「現代のギリシャ神話」と言い切るほど熱狂的ファンなのは有名な話で、公開を待ちきれないばかりか、彼らが多くのスター仲間同様、2002年に製作される"エピソード2"への出演を熱望していることは言うまでもありません。また、“タイタニック”のヒロイン、ケイト・ウィンズレットの「"スターウォーズ”が浮沈鑑を轟沈するよう願っているわ」という言葉にも、“エピソード2”への出演アピールらしきものを感じさせます。一方、巷ではSW(スターウォーズ)ファンが5月21日に向かって活発な動きを見せ始め、中でも過激なのはUCLAがある学生街ウェストウッドのビレッジ劇場、そしてハリウッドのグローマンズ・チャイニーズ劇場前で、封切り1ケ月前からキャンプ・パーティーを計画するグループ「カウント・ダウン・プロダクション」です。食べ物コーナー、トイレ施設、家族との連絡などで利用できるインターネット・セットアップまで設け、“ルーカスの神話”へ備えるという大規模な計画は、不作に終わった“ジョー・ブラックによろしく”や“マーシャル・ロー”へ“エピソード1”の予告編見たさのファンが列をなした事実を思い起こせば、このお祭に参加する者は後を絶たないでしょう。それさえ待ちきれない人のため、「ハリウッド最前線」がお薦めするウェブサイトは、「オフィシャル“スターウォーズ”ウェブサイト」、RealPlayer やQuicktimeによる「予告編ページ」、「ファントム・メナス・ファン・サイト」、「ファントム・メナス・コム」といったところです。





脚本.COM

“地獄の黙示録”や一連の“ゴッドファーザー"、また最近では“レインメーカー”などで知られるフランシス・フォード・コッポラ監督が、今度はサイバー・スペースを活かした斬新なアイデアで話題を呼んでいます。そのアイデアとは、コッポラ監督の映画製作会社アメリカン・ゾエトロープが開設するウェブサイト“ゾエトロープ・スクリーンプレイ”を通じ、世界中の脚本家の卵から作品を公募するというものです。集まった脚本は、お互い同士が批評し合いながら絞りこみ、もっとも評判のいい脚本は著作権を確保した上で、主演俳優や監督を固め、映画化へもってゆきます。まず「ジョイン・ページ」の契約条項に合意し、メンバー登録した参加者が自分の脚本をアップロードする場合、1作あたり他人の脚本4作を批評しなくてはなりません。当然ながら人も自分の作品を批評し、こうしたプロセスの中ですべての脚本は自然淘汰され、最期まで残ったものがゾエトロープ・スタジオ所有の著作物として、製作対象の企画になります。自ら評判のいい脚本へ目を通すつもりだと語るコッポラ、今後は脚本家ばかりでなく、映画音楽の作曲家やCGアーチストの卵にもチャンスを与えられるウェブサイトを考えているそうです。今のところ脚本家のみですが、未来のヒット映画を生みだす可能性を秘めたこのサイト、「世紀のオリジナル案」を暖めている作家なら1度は訪れてみれば?





ボーイ・ジョージ伝説

'80年代初期、「カルチャー・クラブ」を率いるボーイ・ジョージ(写真)は、“ドゥー・ユー・リアリー・ラブ・ミー?”他のヒット曲で一世を風靡し、その怪しげなスタイルが元祖「女装アーティスト」として名を馳せました。自伝“テイク・イット・ライク・ア・マン”は、人見知りする幼少の頃からゲイ・ライフ、そしてヘロイン中毒との戦いまで、彼の奔放なライフスタイルが赤裸々に描かれています。“ハーリー・バーリー”など小粒の秀作で勢いづいたファインライン・フィーチャーとイギリスの大手TV局BBCは、現在この映画化を共同企画中で、一連のオリジナル・ヒット曲がサウンドトラックに使われることは言うまでもありません。また、ロンドンでの撮影が始まれば、映画の雰囲気作りへ贅沢三昧の'80年代文化は一役買うことでしょう。今のスタジオ制度で製作できない独立作品を目指すファインラインが企画中の作品には、その他、ショーン・ペン監督の親子3代で刑務所の看守を務める人種差別主義一族の物語“モンスターズ・ボール”や、巨匠ベルナルド・ベルトリッチ監督("ラストエンペラー")の“ラストタンゴ・イン・パリ”を彷彿させる偏執的な愛情物語“ビシージド”といった芸術性の高いものが目白押し。ちなみに、先の“ハーリー・・・”はショーン・ペン、メグ・ライアン("ユー・ガット・メイル")、ケビン・スペーシー("交渉人")など大物スターが顔を並べながら、恒例の豪華なトレーラー(楽屋)も贅沢なケータリング(出前)もなく、ギャラは全員が組合規定の最低額で奉仕した結果、5百万ドルという信じがたい製作予算で完成しました。これもフィーチャーならばこそであり、ちょうどシルベスター・スタローン、ハービー・カイテル、ロバート・デ・ニーロが監督脚本のジェ−ムス・マンゴルドへ共感し、こぞって“コップランド”に出たパターンです。去年、当最新情報の「女性版『コップランド』」でご紹介した“ガール・インターラプティッド”といい、スタジオ作品で莫大なギャラを稼ぐ大スターや大監督が、一方ではこうした玄人うけする映画へ商売抜きで参加する傾向が、このところハリウッドの新しいトレンドになりつつあります。




(1999年2月16日)

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